ハッピークローバー
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第百十二話 二つの祭りその五
「十三歳で初婚でな」
「お子さん出来たのね」
「いや、奥さん十歳かその辺りでな」
それ位の年齢でというのだ。
「お腹の中にお子さんいてな」
「そうなったの」
「そうらしいな」
「十三歳でなのね」
「信玄さんそっちの趣味もあったけどな」
高坂弾正との話が有名である。
「子沢山でな」
「それでなのね」
「十三歳で、だったらしいな」
「凄いわね」
「だからもうな」
「明男位になったら」
「相手の人なんてな」
それこそというのだ。
「流石に中学生じゃな」
「そこまでいかないわね」
「彼女いてもな」
それでもというのだ。
「いかないだろ」
「普通はそうよね」
「だからあいつもな」
「まあね、そこはね」
「わかるよな」
「わかっていて」
かな恵にしてもだ。
「気付いていないふりしてるわ」
「それは誰でもなんだよ」
「そういうことね」
「それで高校卒業までな」
「しないのね」
「手をつなぐ位だろ」
成海は真剣な顔で言った。
「それ位だろ」
「キスも駄目ね」
「キ、キスなんてな」
顔を真っ赤にして反論した。
「早過ぎるだろ」
「十三歳で子供さんいた人は?」
「そんなの特別でな」
そうした事例でというのだ。
「本当にな」
「普通は、なのね」
「そんなことはな」
とてもというのだ。
「駄目だろ」
「そうなのね」
「そうだよ」
絶対にというのだ。
「俺はそう考えてるよ」
「ちなみに私ゴム持ってるわよ」
かな恵は何でもないといった顔で返した。
「付け方もわかってるわよ」
「勉強したのかよ」
「本とかネットでね」
「そりゃ俺も持ってるけれどな」
「じゃあ成海っちも」
「用心だよ」
ここでも顔を真っ赤にさせて反論した。
「それはな」
「いざという時の」
「何時何があるかわからないだろ」
「それはね」
「妊娠したら駄目だしな」
これは絶対にというのだ。
「それに病気だってな」
「そうそう、それも怖いのよね」
「エイズも怖いし」
まずはこの病気を挙げた、アフリカ大陸南部の風土病が全世界に広まったと言われている。実は感染力は強くはない。
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