新オズの臆病ライオン
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第九幕その八
「服だって楽しめばいいしね」
「そうそう、肩肘張らないでね」
かかしも五人に優しく言います。
「決して」
「僕達も楽しむしね」
樵はもうにこにことしています。
「君達もそうしてね」
「この雰囲気だけでも楽しいじゃない」
腹ペコタイガーは自分達がいるホールを見回しました、見ればその場所は彫刻が飾られオズの国の五色のカーテンやテーブル掛けで飾られていてです。
オズの各国の万国旗も天井から吊るされて様々なご馳走が用意されてタキシードやドレスで着飾った人達がいます。オーケストラの人達もいます。
「そうだよね」
「その場に飲まれるんじゃなくてね」
トトはドロシーの足下から言いました。
「楽しんでいこう」
「皆がそう言うのなら」
「僕達もね」
「そうさせてもらうね」
「そういえば舞踏会の経験もあるし」
「はじめてじゃないし」
「そうしていこうね」
臆病ライオンが言ってでした。
皆で舞踏会を楽しみはじめました、そして皆でです。
華麗な音楽に乗ってダンスをはじめました、男女一緒に手を重ね合わせて一緒にくるくると踊ります。その中で。
臆病ライオンも踊りますがドウ一世はその彼に言いました。
「いや、いい踊りだね」
「そうですね」
チックは王様のジンジャーブレッドの王様の言葉に頷きました。
「センスがあります」
「そうだね」
「凄く慣れていて」
さっき一緒に踊ったバラが言います。
「よかったです」
「私も一緒に踊らせてもらったけれど」
フラウ王女も言いました。
「臆病ライオンさんとてもお上手よ」
「そうだね」
バド王はお姉さんの言葉に頷きました。
「見ていて思ったよ、僕も」
「ただ勇敢なだけじゃないのよ」
ジクシー女王は言いました。
「臆病ライオンさんは」
「優しくて暖かい心の持ち主で」
キャンディマンは臆病ライオンの人柄のお話をしました。
「しかもダンスも上手なのですね」
「そう思うと素晴らしい方ね」
お人形の女王も思うことでした。
「臆病ライオンさんは」
「そうでしょ、だから私も大好きなのよ」
ドロシーは各国の代表の人達外見は普段と変わりませんが服等はいつもより遥かに奇麗に整えられているその人達に応えました。
「臆病ライオンさんもね」
「ドロシー王女のオズの国の一番古いお友達の一人なので」
ドウ一世は言いました。
「それでだね」
「ええ、そのこともあってね」
ドロシーもその通りと答えます。
「大好きなのよ」
「あの時のことは歌劇でも描かれていましたけれど」
チックは昨日観たそちらのことを思い出しました。
「運命の出会いでしたね」
「そして今も仲良しですね」
バラも言います。
「ドロシーさん達は」
「そうよ、どれだけ助けてもらったか」
ドロシーはまた言いました。
「わからない位だしね」
「まさに心の友ね」
ジクシー女王は微笑んで述べました。
「お互いに」
「そういえばです」
バド王はここであることに気付きました。
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