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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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第11章
  11-1

 年が明けて、去年と同じように新年のお祝いをしていた。昨夜、紳おじちゃんは私を家まで送ったあと、仕事先に戻って行って、明け方に始発で帰ってきたのだ。

 そして、恒例みたいに初詣に行くってなって、ばっちゃんは今年は私の為に着物を新調したと言って、赤地に沢山の小さな桜の花が散りばめられたものに蒼と金の帯。そして、桜の花が垂れ下がった髪飾りを用意していてくれた。

 そして、今年は、じっちゃんはお賽銭を投げ込む時以外は私の手を離さなかったのだ。去年と同じようにじっちゃんが早々と帰ろうと言ってきたので、家に戻って早い目の夕飯になって、紳おじちゃんと、とりあえずのビールを飲みながら

「いゃー 今年の実海は特に、着物が映えてとびっきりなんで、もっと連れて歩きたいんだがな あの人込みだろう どうもな 苦手だよ」

「そうですね みゅうみゅんからは 眼が離せないっていうより 手が離せませんからネ」

「紳おじちゃん そーゆう言い方って 危険動物みたいやんかぁー」

「いゃ まぁー そのー 可愛いから、誘拐されたりしたら、大変だって・・・」

「そんなんされへんわー そん時は相手にぶっかっていったるネン」

「そーいうとこがな! ・・・まぁ いいかぁー 元気で 昨日も、みゅうみゅんは腕組んで歩いてくれるんだが、ステップを踏むようにしていて、階段でも一段おきに上って居て、誠一郎君も 相変わらず元気ですねって言っていたよ」

「そうか デパートのフェアなんだろう 明日 顔出してみようか?」

「あなた 明日は 実海ちゃんは 向こうのお家に・・・」

「あっ そーだったな お前も一緒に行くんだろう?」

「いえ 今回は 私は・・・ 実海ちゃんだけで・・と」ばっちゃんは、口ごもっていた。

「どうしてよー 実海だけなんか?」

「えぇ 去年 行ったでしょ あのね 女の子は良いわねぇー 可愛くて こんな子が居たら、毎日が張り合い出るでしょう? 羨ましいワーって散々 言われたのよ そんなに悪気は無いんでしょうけど 今年は、こんなにきれいになって余計よー だけど、実海ちゃんは水島でしょ? 絢は向こうより先にウチに相談してきたじゃあない 実海ちゃんがこっちにくるって話 筋からいうと 水島なんだからって それも、同じ市内じゃぁない だから、申し訳なくって・・」

「そんなの・・ 孫の取り合いでもあるまいし・・ 実海の前で・・そんなこと」

「違うのよ だから 実海ちゃんは どっちにも愛されてんのよ 分け隔てなくネ 普段はここで生活してるから感じないでしょうけど・・・ だけど、向こうにも、もっと甘えたほうが喜ぶでしょうし、もっと 顔を見せに行っても良いのよ って ネッ 実海ちゃん」

「でもよー 基君は きっと、ワシ等が大切に思っている絢のことを自分に託してくれたと言う思いがあるから、自分達の宝を預けてきたんだと思うぞ」

「ちゃうよー みゅうみゅんは自分から お願いしたの まわぁまんまーは最初 水島のじっちゃんとばっちゃんとこにお世話になるのよって言ってたの だけど、みゅうみゅんは小さい時に来た駅前の桜も見ていたし、すごなぁーって感じたの覚えてるし、中庭の桜の木 きっと登ってやるって思ってたし それに、山本さんが遊びに連れて行ってくれたこともあったから こっちのほうが楽しそうだったから・・・ そしたら、おとんも この子がそう言うのであればってなったの」

「そうか そうか やっぱり 実海はモトマチの子なんだな まぁ 明日行ったら 甘えておいで それと、学校の成績のこととか なんてったって 最高点のオール5なんだぞ 運動の記録会のことか ラグビーのこともお話しておいで 実海は自慢していいぞー」

「うん みゅうみゅんの自慢は素敵な仲間がいることなんだぁー」

「そーいえば 紳 実海達にバッジを送ったそうじゃぁないか?」

「えぇ みゅうみゅんが頑張っているし 絢も頑張る奴でしたけど もっと すごいことをやってると思うんですよね たった 一人で空地の草むしりから始めて、仲間を増やしていった だから、みゅうみゅんの仲間達にクリスマスプレゼントのつもりで」

「そうかー 抜け駆けしょぉってー 実海が怪我させたっていう子のあの親もそうじゃー 実海とその仲間達に感謝してるからってー ワシだって 実海は自慢なんだぞー 今 スポンサーになろうかと思っちょる」

「あなた 飲み過ぎじゃぁないですか? 中学生にスポンサーなんて無いですよ! あの時だって ワシも ワシもって言ってたけど、向こうの親御さんの顔を立てましょうよってことになったんじゃぁないですか!」と、ばっちゃんにたしなめられていた。

 次の日、私はばっちゃんに着物を着せてもらって、菓子箱と広島から取り寄せたという穴子寿司を持って、ひとりで水島家の玄関に立って居た。

「まぁ まぁ 実海ちゃん 待ってたのよーぉ まぁー なんて きれいなのぉー お着物も素敵ネ 正絹なのね そんなのって楽しみよねー 本町さんも・・」

「おぉー おぉー 美人だ 可愛いのぉー 女優さんみたいだ」と、じっちゃんも迎えてくれた。

 その後は、私がラクビーの話とかしていて、うすうす私がラクビーを始めたということは知っていたのだが、チームでやっていることまでは、知らなくて驚いていたのだ。そして、途中で ちょっと一緒に来てよと 隣の家に連れて行かれて

「基の娘なのよ 中1 去年からお嫁さんの実家に来たの 同じ市内なんだけどね」と、自慢するように挨拶しただけだった。

「なんだよー わざと 見せびらかせるようにー」と、じっちゃんに言われていたんだけど

「なによー こんなに可愛い孫なんだから 自慢してもいいじゃぁない」と、平和な揉め事だったのだ。

 そして、帰る時も「もっと 顔見せてよ せめて、月に一度くらいネ そうだ! 今度は、一緒にお食事行きましょっ」と、駅まで送ってくれて、私が降りる駅でたっ君と待ち合わせをしていた。

「ごめんね 呼び出すようになって 今 おとんの実家に顔見せに行ってきてん うふっ ちょっとでも たっ君に見て欲しくてね 着物姿のみゅうみゅん」

「急に 何かと思ったよ 会いたいっていうからー うーん 引き立つネ すごくきれいだよ」

「それは 着物? みゅうみゅん?」

「えっ それはー 着物姿がきれいなみゅうみゅんだよ」

「うん まぁ 良しとしよう なぁ あさって 河川敷公園デートしようよ」

「うん いいけど・・ 他に予定ないから・・」

「うん じゃぁ1時ネ ウチ 今 はよ 帰りたいねん さっきから我慢してるんや」

「なに をぉー? ぁあー また おしっこか?」

「そう 着物やったから・・」

「じゃあ 漏らさんようにな 走って転ぶなよ バイバイ」 
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