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神々の塔

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第五十一話 織田家の者達その三

「冷えるしな」
「何かフランスの娘とか裸で寝る娘多いけど」
 綾乃が言ってきた。
「それ寒いやろ」
「そやな」
「ほんま寝る時はあったかくせんと」
 さもないと、というのだ。
「よおないで」
「寝る時こそ一番暖かくやな」
「そうせんと冷えるで」
「そやな」
 芥川もそれはと答えた。
「ほんまな」
「身体は冷やさへん」
 綾乃はまた言った。
「これ大事やで」
「そやから綾乃ちゃんもやな」
「ちゃんと寝間着を着て」
 そうしてというのだ。
「そのうえで寝てるで」
「そうしてるな」
「夏でも冬でも。ただ」
「ただ?」
「夏に長袖のシャツ着て寝るのは」
 そうしたことはというと。
「うちはせんわ」
「金田正一さんみたいに」
「あの人身体には気を使って」
 プロ野球選手としてである。
「身体も冷やさへん様にしてて」
「夏もやな」
「長袖のシャツ着て」
 そうしてというのだ。
「寝てたらしいけど」
「そやけどやな」
「そこまではせんで」
「あったかくしてもやな」
「暑過ぎたら」
 それならというのだ。
「かえってあかんしそもそも」
「寝られんな」
「暑かったら」
 そうであるならというのだ。
「ほんまに」
「そやからね」
「程々にあったかくやな
「そんなん夏に長袖とか」
 それはというのだ。
「暑くてしゃあないわ」
「寝る時かて」
「そやからね」
「うちは夏は半袖で」
「それで寝てるか」
「その時もやで、けど下着で寝ることは」
 それはというのだ。
「ほんまにね」
「せんか」
「そうしてるわ」
「そやねんな」
「下着で寝るのだけはあかんわ」
 綾乃は強い声で話した。
「うちは。裸も」
「フランス人ほんまに裸で寝るからな」
 真顔でだ、リーは言った。
「イタリア人も多いな」
「フランス人っていうとや」
 中里はすぐにある人物を思い出した、それは彼だけでなくここにいる者全員にとって馴染みの者だった。
「ユゴーやが」
「あいつもや」
「そやねんな」
「最初裸やったわ」
「寝る時は」
「それでアルギエーリもな」
 イタリア人である彼もというのだ。 
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