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ハッピークローバー

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第百十一話 チャックその五

「ソロが普通だったんだよな」
「それで毎日みたいにテレビに出るね」
「松田聖子さんとか中森明菜さんみたいなのか」
「メジャーだとね」
「あの人達って凄かったんだな」
「そうみたいね、どうやら」
「それが今はグループが普通でな」
 それでというのだ。
「劇場とか持っててね」
「ご当地とかね」
「地下アイドルもいるか」
「もうそれぞれよ」
 今はというのだ。
「そうなってるわ」
「それでか」
「この人八条芸能の所属で」
「うちの学園やってる企業グループのか」
「大学生やりながらね」
 そのうえでというのだ。
「アイドルもね」
「やってるんだな」
「そうらしいわ」
「女子大生兼アイドルか」
「そうした人は昔からいたわね」
「普通にな」 
 明男はまさにと答えた。
「そうした人は」
「それでなのよ」
「姉ちゃんその人知っててか」
「それでね」
「主人公の名前にしてるんだな」
「そうなの。この前理虹ちゃんに紹介してもらったの」
 彼女からというのだ。
「こうしたグループあるって」
「そうなんだな」
「二人組でね」 
 それでというのだ。
「アイドルだけれど漫才もね」
「やるのかよ」
「それでどっちかっていうと」
「漫才の方がか」
「売れてるみたいよ」
 そうだというのだ。
「これがね」
「じゃあ漫才でブレイクするかもな」
「二人共元々うちの高等部の漫才部で」
 それでというのだ。
「今は八条大学に通いながら」
「アイドル兼漫才師か」
「そうなの」
「何でどっちもなんだよ」
「最初漫才師として二人で事務所に就職願いだしたら」
 そうすればというのだ。
「お顔よくてしかも歌も踊りも結構ってことがわかって」
「それでか」
「アイドルもすることになったみたいよ」
「そうなんだな」
「それで今ね」
 かな恵もというのだ。
「お一人をこのゲームの主人公にして」
「もう一人の人はどうしたんだよ」
「RPGもやってるから」
 それでというのだ。
「そっちの主人公にね」
「付けたんだな」
「そうしたわ」
「成程な」
「いや、多分ね」
 かな恵は弟にさらに話した。
「アイドルとしてより漫才師としてね」
「ブレイクするのかよ」
「そうなると思うわ」
「何か複雑だな」
「売れたら勝ちでしょ」
 かな恵はあっさりとした口調で言い切った。 
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