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キチママ泥ママ汚嫁軍団

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第三章

「親父もまともだしお祖父ちゃんお祖母ちゃんも」
「おかしな人達じゃないし」
「僕の身内他にはね」
「あんな人いないわね」
「おかしな人は少ないよ」 
 世の中にはというのだ。
「だから目立つよ」
「周りから見ておかしいから」
「おかしいのがおかしくないならね」
「目立たないわね」
「そうだよ、だからそんな」
「おかしな人ばかりっていうのは」
 夫も首を傾げさせて言った。
「狂人の域とか泥棒とか不倫があちこちにあるのは」
「ちょっと、よね」
 妻も応えた。
「考えてみたら」
「軍団みたいにいるだよね」
「ええ」
 まさにと答えた。
「それこそね」
「そんなにいるとはね」
「思えないわね」
「やっぱり創作じゃないかな」
「そうかしら」
 夫婦でこんなことを話した、この時はそれで終わったが。
 恵子はある日高校時代からの友人である奥村真樹黒髪をショートにし大きな明るい感じの目とやや分厚い唇を持つ彼女と会って話をしていた、尚真樹のかつての苗字は金本といったが結婚して変わったのだ。
「いやあ、最近新しいお仕事が成功していて」
「お金持ってるのね」
「旦那や子供に前よりいいもの食べさせてあげられるし」
 コーヒーを飲みつつ笑顔で言うのだった。
「英のローンの支払いも楽になって」
「いいのね」
「しかも貯金も増えて」
 このこともあってというのだ。
「本当にね」
「よかったのね」
「ええ、パートに加えて」 
 これまでしているというのだ。
「そっちもね」
「成功していて」
「よかったわ」
「それは何よりね」 
 恵子は友人の成功に笑顔で応えた。
「私も最近新しい趣味が増えたし」
「そうなの」
「最近ネット動画観ててね」
「ユーチューブとかの」
「そう、そっちのね」
 ユーチューブのというのだ。
「巨大掲示板のスレッドを動画に編集して画像や音声も入れた」
「あれっ、それって」
 そう聞いてだ、真樹はまさかという顔になって何か言おうとしたがそこに恵子はそれよりも前に言った。
「キチママ泥ママ汚ママのね」
「それね」
 ここで真樹は言った。
「私書いてるわよ」
「えっ!?」
「だから私そうした動画の脚本をよ」
「あんたが書いてるの」
「他の人も書いてるけれど」
 それでもというのだ。 
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