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イベリス

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第百三十一話 吹っ切れてその一

               第百三十一話  吹っ切れて
 咲は失恋し愛と飲んで彼女と駅巡りをしてアルバイトに行ってだった。
 そのうえで登校した、そしてだった。
 学校で普通の生活を過ごしていたがその中でだった、失恋の話は誰にも言われなかった。それはクラスでも部活でもであり。
 それでだ、アルバイトに行く前に喫茶店に行ってマスターにこのことを話すと彼は笑ってこう言った。
「それは学校でのことでないしここに嬢ちゃんがいた時に嬢ちゃんの学校の子誰もいなかったからだよ」
「だからですか」
「もうな」
 それこそというのだ。
「誰も言う筈がないさ」
「八条学園の人誰もですか」
「いなかったし今もな」
「いないので」
「言われる筈ないさ」
「そうですか」
「世の中人の失恋嗤う奴もいるさ」 
 マスターもこのことを話した。
「人の心の傷抉って楽しむ奴がな」
「つくづく最低ですね」
「確かに最低だけれどな」
 それでもとだ、マスターは咲に話した。
「高校生ってまだガキなんだよ」
「だからですか」
「そうしたこと言う奴もな」
「いますか」
「そうなんだよ」 
 このことを話すのだった。
「どうしてもな」
「そうなんですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「そんな奴も後になってな」
「わかりますか」
「大抵自分が同じ目に遭ってな」
「失恋してですか」
「離婚とかな」
「因果応報ですね」
「けれどな」
 それでもと言うのだった。
「嬢ちゃんのその話してる時にな」
「うちの学校の人いなくて」
「だからな」
 それでというのだ。
「知らないんだよ、まあ制服だけ見て言ってるんだけれどな」
「私服だとわからないですね」
「ああ、けれどな」
 それでもというのだ。
「嬢ちゃん位の歳の子もな」
「いなくて」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「知られてないさ、まあ知っていても言う奴なんてな」
「気にしないことですね」
「そうさ、そうした奴はな」
「後で身を以て知るので」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「気にしなくていいさ」
「そうなんですね」
「中には失恋のこと延々と言われて心が歪んでな」 
 そうなってというのだ。
「憎しみと怨念の塊みたいになった人だってな」
「いますね」
「復讐鬼みたいな」 
 そうしたというのだ。 
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