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ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~

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SAO:アインクラッド~神話の勇者と獣の王者~
  神話剣と太陽の帝王

 キリトとヒースクリフのデュエルは終わった。結果は、圧倒的なスピードを見せ、ヒークリフの逆転勝利。続けて、セモンとシャノンのデュエルが行われる……。

「それでは、両者入場!!」

 アナウンスに呼ばれ、闘技場に2者が現れる。シャノンはいつもの緑とオレンジのコートに、白銀の巨剣。しかし、セモンは違った。いつもならば赤と緑のはずのバンダナは、今日は真っ青だった。さらにコートまでもが、いつもの明るい黄緑色のものではなく、ふかい緑色だった。

「あれは……」

 キリトが疑問を漏らす。答えたのはハザードだった。

「あの装備は、セモンが半年前に使っていたものだ。ゲームバランスを壊すほどの防御力を付与してくれる。シャノンとの勝負は、《いかにして受けるダメージを減らせるか》がポイントになってくるからな……」

 
 キリトが不思議そうな顔をする。

 キリトが以前シャノンと戦った時、そのあまりの強さに、確かに『ダメージを軽減する』ことが最重要だった。

 しかしセモンはキリトより十近くレベルが上なのだ。ならば無傷で戦うことも可能なのでは……

 

 しかしそれが甘い考えだったことは、デュエル開始後、すぐに証明された。


                    *


 圧倒的。そう表現せざるを得ない。シャノンの《太陽剣》のビットたちが、セモンの攻撃を防ぎ、セモンに攻撃する。あまりにもうっとおしい。

「くそっ……」

 セモンは《神話剣》スキルの一つ、《アラブル・スラッシュ》でビットを弾き飛ばす。弾き飛ばされたビットはシャノンの元へと戻り……

「《スティンガー・ストライク》」

 の一言で、オレンジのエフェクトライトをまき散らしながら飛んできた。

「はっ……」
 
 セモンはそれをカタナスキル、《ツムジグルマ》ではじき返すと、片手剣スキル《レイジスパイク》で一気に詰め寄る。
 
 シャノンは背中の巨剣を一本だけ……赤い剣、《オズワルト》だ……抜きはらうと、セモンの攻撃を受け止めた。
 
 インパクト。

 爆風が吹き荒れる。

「シャノン、聞きたいことがある……お前、どうやって圏内に入ってきた?」

 シャノンのカーソルは犯罪者(オレンジ)。本来なら、圏内に入った途端、鬼のような強さのNPCガーディアンが襲ってくるのだが……。

「ああ、全部倒してきたよ。いや~案外弱かったねぇ~」
「……なんだと?」
「いやほんとさ。《帝王剣》を使うまでもなかったね」
 
 シャノンはもう一度にやっと笑うと、言った。

「さて、そろそろ終わらせるか。楽しかったよ、僕の親友(セモン)
「なに……!」

 シャノンはセモンを弾き飛ばすと、ビットを……大剣に、のこぎりの刃のように接続させた。

「《太陽剣》《帝王剣》複合スキルさ。これがあるってことは、この二つのスキルは在るべくして在るってことだよ。……《アメンラー・インティカ》」
「……!!!」

 避けようとしたセモンを、しかし数日前のキリトの様に、ビットたちが押さえ込んでいた。

「動け……ない!?」

「Goodnight,《神話剣》」
 
 セモンはせめてもと《草薙の剣》を水平に構え、シャノンの攻撃を受けたが……



 ピシッ!!…………バキイィ!!



 異質なサウンドと共に、セモンの《草薙の剣》は真っ二つに折れ、ポリゴン片へと姿を変えた。

 そして、セモンに、シャノンの剣先がヒットした。


「がっ……ああああ!!!」

 それは、圧倒的な防御力を上回り、セモンのHPを残り数ドットにした。

 <Winner is Syanonn!!>

 という表示が浮かび、同時にセモンは倒れた。

「セモン―――――――――――!!!!」

 コハクが絶叫し、観客席から競技場に躍り出る。

「お、おいコハク!」
「コハクさん!」

 セモンを助け起こすコハクを一瞥したシャノンは、ビットを従えて去って行った……。


                    *


「あーあ、あーあ。終わっちゃった。つまんない、つまんないよ」
「大人げないなぁ《太陽剣》。昔の仲間なんだろ?それにしてもいいな、あのセモンって子。あんな可愛い彼女さんが……」
「何よカガミ君。私が可愛くないって言いたいの?不満なの?欲求不満なの?」
「そ、そんなワケないじゃないか!後欲求不満と違う!」

 観客席の一角。一部始終を見守っていた三人がいた。 

 その腰には、それぞれ《二本ずつ》の武器が吊られていた。 
 

 
後書き
 セモン君が負けちゃいました……。
 次回から、しばらくセモン視点になるとおもいます。 
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