おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその二十一
「新一君はです」
「私より悪いのね」
「絶対にそうです」
こう言い切りました。
「先輩が自覚されてなおされようとしてますね」
「物凄く気をつけているつもりよ」
「全然違います、新一君には困ったものです」
心から思いました。
「あの性格どうにかならないでしょうか」
「性格自体はいいでしょ」
「欠点が酷いですから」
その執念深くて陰湿で残忍なところです。
「あれで性格悪くないのが不思議です」
「それは欠点よりもね」
そこが目立ってもというのです。
「特定の人に対してだけで」
「他の人には陽気で礼儀正しくて親切なんですけどね」
「奥華でそうした人いないでしょ」
「奥華の人に対しては誰にでも優しいです」
このことは事実です。
「長所はその欠点よりもずっと多くて目立ちますね」
「だからよ」
「性格悪くないんですか」
「誰でも欠点があるのよ」
人間ならというのです。
「欠点より長所が多いとね」
「いいんですね」
「プラスマイナスでね」
「そういうものなんですね」
「人間はね」
「先輩に対しては酷いのに」
「じゃあちっちが治してあげてね」
先輩は私を見て笑顔で言われました。
「そうしてあげてね」
「新一君のそうしたところをですか」
「そうよ、それがちっちのすべきことの一つでしょうね」
「私がですか」
「私はそう思うわ」
私を見て微笑んで言われました。
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