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夢幻水滸伝

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第三百二十八話 時間を操る力その十六

「それで動けなくなりな」
「胃が痛くて」
「それで留まっていたが」
「胃潰瘍は治したしあんた見たらね」 
 ミッチェルはここでドラゴンのステータスを見た、そうして彼に対して話した。
「悪くないわよ」
「秀でているか」
「そのお嬢さんがどんなドラゴンか知らないけれど」
 それでもというのだ。
「あんたのその実力なら相当なドラゴンでもね」
「釣り合うか」
「普通のレッドドラゴンより強くて賢いわよ」
 ステータスを見ればだ。
「努力してるのね」
「日々学問と鍛錬には励んでいるつもりだ」
「そうなのね」
「うむ、それでか」
「そのお嬢さんともね」
「釣り合うか」
「そう思うわ、それに今釣り合わないと思うなら」
 ミッチェルはさらに話した。
「これからもね」
「努力すればいいか」
「足りないと思うなら努力する」
 きっぱりとした口調で言った。
「それがね」
「あるべき姿か」
「そうでしょ、だからね」 
「わしは結婚すべきか」
「ええ、お祖父さんのところに帰ってね」
「地下世界に戻ってか」
「ああ、あんた地下世界出身なのね」
 ミッチェルはここでこのことを知って頷いた。
「そうなのね」
「それで北極の出入り口から出てな」
「アマゾンに向かっていたのね」
「その途中だったのだ」
「事情はわかったわ、けれどね」
「戻ることか」
「そうした方がいいわ、そしてね」
 戻ってというのだ。
「結婚しなさい」
「そう言うならな」
「戻るわね」
「もう痛まない」
 胃潰瘍はとだ、ドラゴンは嬉しそうに答えた。
「ならばな」
「ええ、戻ってね」
「結婚することか」
「そうしたらいいわ、それであたくしに吉報をね」
 笑って話した。
「届けてね」
「ではな、尚ドラゴンは一夫一妻で決して浮気はしない」
「真面目なのね、そのあたり」
「そして結婚するまでは乱れたことはせず結婚してからは相手だけだ」
「猶更真面目ね」
「そう思ってくれるか、ではそなたのことはわかっておる」
 ドラゴンは笑った声で話した。
「この州にいる星の者だな」
「わかるの」
「そのステータスを見ればな」 
 それでというのだ。
「わかる、星の者だけあって強いな」
「その強さで世界を救わないとね」
「そう考えていることは見事、そなたならな」
 ぜひにと言うのだった。 
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