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X ーthe another storyー

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第四十九話 合鏡その六

「やはりな。しかし」
「それでもですか」
「これで取り返す、そして地の龍が勝ち」
「人間が滅び」
「そこでわらわが返す刀でじゃ」
「世界も滅ぼす」
「後に残るはわらわ達のみ」 
 そうなるというのだ。
「よいな」
「どうしてもですね」
「そうなる様にする」
「今その手を打った」
「後はことの成り行きを見守る。楽しみじゃのう」
 もう一人の丁は邪に笑い丁は眉を曇らせたまま項垂れた、二人はそうなっていた。そしてもう一人の丁が深い眠りに入ると。
 ここでだ、牙暁が丁のところに来て言ってきた。
「まさか」
「あの様に動くとはですね」
「思わなかったよ、もうこれで」
「天の龍が勝つとですね」
「思っていたから」
 だからだというのだ。
「僕も油断していた、これで」
「逆にですね」
「人間は危うくなった」
「運命は暗転いえ」
 丁は言った。
「わらわ達が見た通りの」
「運命は変わらなかった」
「そうです、やはり運命はです」
「絶対のもので変えることは出来ない」
「何があろうとも」
「違うよ」
 ここで二人のところに北都が来た、北都は二人に微笑んで話した。
「今もね」
「何も決まっていないっていうんだね」
「うん、そうよ」
 牙暁に微笑んで話した。
「今もね」
「けれど」
 牙暁は北都のその言葉を否定した。
「それは」
「違うっていうんだね」
「もうこうなったら」
「破滅しかありません」
 牙暁だけでなく丁も言った。
「人間そして世界は」
「だから。あの人がどうなってもね」
 それでもとだ、北都は二人にさらに言った。
「まだね」
「決まっていない」
「何もですね」
「そうだよ、皆がいるから」
 それ故にというのだ。
「変わるよ、それもね」
「いい方向にだね」
「皆が必死にそうするから」
 だからだというのだ。
「そうなるよ、だから希望を持ってね」
「見ていく」
「そうしよう」
 こう言うのだった。
「いざとなればね」
「僕達が言う」
「だから夢見だね」
「何の役にも立ってないんじゃないかな」
 牙暁はここでこう言った。
「僕は」
「違うよ、それは」
 北都は微笑んで否定した。 
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