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姉と妹それぞれの才能

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第一章

                姉と妹それぞれの才能
 神戸姉妹の双子の妹である美佐江はいつも歌が上手だと言われている、それは双子の両親も注目する程だった。
「どんな歌も歌えてな」
「それも完璧にね」
「声の感じも変えられる」
「これは天才かもね」
 茶色の髪の毛をセミロングにした大きな目と太い一直線の眉の娘を見て言うのだった。
「本当にね」
「そうだな、ちょっと芸能事務所に紹介するか」
「それか音楽学校に行かせるかね」
「そしてな」
 父の不二夫痩せて皺が目立つ小さな目と唇が印象的な黒髪を短くした一七一位の背の彼は妹そっくりの双子の姉の寿美香を見て言った。
「寿美香は寿美香でな」
「数学とか理科が凄いわね」
「数字に滅茶苦茶強いな」
「二つの教科のテストはいつも満点だしね」
 母の柚、姉妹をそのまま大人にして胸を大きくした様な外見の二人も話した。二人の仕事はしょっぽんぐモールの中の時計屋である。昔は商店街に店を出していたがそちらに誘われて移動したのである。
「この娘はこの娘でね」
「才能あるな」
「そうよね」
「けれど私音痴よ」
「私数学とか駄目よ」 
 中学一年の双子はそれぞれこう両親に言った。
「それも全く」
「駄目だけれど」
「才能なんて人それぞれなんだよ」 
 父はどうにもという顔で言う娘達にあっさりとした口調で答えた。
「だからな」
「気にしなくていいの」
「そうなの」
「そうだ、大事なのはその才能を磨くことだ」
「お父さんの言う通りよ、自分の才能に気付いたらね」
 母も娘達に話した。
「その才能を磨けばいいのよ」
「モーツァルトやエジソンだってな」
 彼等もというのだ。
「それぞれの才能がある分野をいつも必死にしてな」
「そうしてなの」
「ああなったの」
「天才はどうして天才になるか」
 それはと話すのだった。
「才能がある分野をいつも努力していたからな」
「天才になったの」
「そうなの」
「だからな」
 そうなったというのだ。 
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