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夢幻水滸伝

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第三百二十八話 時間を操る力その十二

「どんどんです」
「新しい技術を導入し」
「最新の設備を整え」
「よいものを造っていく」
「そうしますか」
「そうしましょう」
 こう言って工業の発展にも力を入れていった、当然浮島にも進出し州の統一に向かって進んでいっていた。
 統一へ向けての勢力拡大と内政それに伴う発展は順調だった、それでデモインの市長も受付の女もミッチェルに言った。
「順風満帆と言うべきか」
「問題はないですね」
「このまま州を統一出来ます」
「軌道に乗っていますね」
「そうですね、ただ」
 ミッチェルは二人に浮かない顔で答えた、今は市庁舎の会議室において話している。
「統一してからどうするか」
「さらなる勢力拡大ですね」
 女はすぐにこう答えた。
「終われば」
「そうなりますね」
「はい、他の州に」
「確かにそうなりますが」
「何かありますか」
「いえ、他の州に勢力を拡大しますと」
 そうすると、というのだ。
「そこで他の星の人と勢力を接しますね」
「はい、それは避けられないです」 
 市長がその疑問に答えた。
「事実隣のミズーリ州ではです」
「チャックちゃんがいますね」
「あの方が」
「いや、あたくしチャックちゃんと仲ええんです」 
 起きた世界での話をするのだった。
「これが」
「だからですか」
「今はお互い何の関係もないですが」
 州即ち勢力圏を隣接させていてもというのだ。
「衝突することは」
「避けたいですか」
「どうしても。あたくし無闇に戦うことは」
「お嫌いですね」
「しなければあかん戦はあります」
 それはというのだ。
「そやけどです」
「それでもですね」
「はい、チャックちゃんと戦うこともで」
 市長に浮かない顔のままさらに話した。
「他の人ともです」
「戦いたくないですか」
「そう思ってます、まあ外交で」
 それでというのだ。
「ことが済めばです」
「それでよしですか」
「あたくしとしては。そやから他の州への進出は」
 それはというと。
「慎重にです」
「行いたいですか」
「そう思ってます、他の星の人と出来るだけです」
「衝突しない」
「そうした風にしていきたいです」
「そうですか」
「はい、まずは州の統一を行って」
 アイオワ州のというのだ。
「それからです」
「他の州にですか」
「状況を見極めて」
 そのうえでというのだ。
「していきたいです」
「そうなのですね」
「迂闊に進むと」
 その場合もだ、ミッチェルは考えて話した。 
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