| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十八話 見舞その十四

「世界も人間もな」
「あって欲しい」
「やっぱり地の龍でもだよ」
「そう思いますね」
「人間だからな、じゃあな」
「そうなる様に」
「地の龍でもな」
 それでもというのだ。
「そうなる様にな」
「していかれますか」
「ああ、そうするな」
「そうですか、じゃあ私も」
「そうしてくれるか」
「是非」
 笑顔でにこりと笑って約束した。
「そうさせてもらいます」
「そうか、一緒だな」
「そうですね、私達」
「人間だな」
「他の何でもないですね」
 草薙にそのにこりとした笑顔で話した、そうしてまた明日と言って自分の場所に戻った。そうしてからだった。
 議事堂に戻った、その彼女と入れ替わりに庚が彼の見舞いに来たが。
 彼の顔を見てだ、庚は言った。
「いいことがあったのね」
「ああ」
 彼女にも微笑んで応えた。
「さっきな」
「それは何よりね。今はね」
「ゆっくりとだな」
「怪我を治して」
 そうしてというのだ。
「そうしてね」
「退院することだな」
「ええ」
 そうだというのだ。
「今はね」
「悪いな、そう言ってもらって」
「気にすることはないわ、貴方はよくやってくれたわ」
「そうだといいけれどな」
「天の龍を一人戦えなくしたから」
「それで充分か」
「後は彼に任せて」
 こうも言うのだった。
「いいわね」
「封真にか」
「彼ならね」
「やってくれるか」
「今の状況でもね」
「あいつならな」
 草薙も言った。
「今の状況でもな」
「信じられるわね」
「仲間だからな」
 それ故にというのだ。
「わかってるしな」
「信じられるわね」
「ああ、それじゃあな」
「今はね」
「封真を信じるな」
「そうしてね、ただ」
 ここで庚はこうも言った。
「若しかしたら」
「何かあるのか」
「皆入院中は戦えないけれど」
 封真以外はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧