脚が悪い猫も幸せに

　　　　　　　　　　　　　　　脚が悪い猫も幸せに
　その焦げ茶と黒の雌の子猫を見てだ、獣医をしているコディ＝マクニール面長の顔で青い目に背の高い彼は動物病院を経営している妹のハンナ自分と同じブロンドの髪を伸ばし青い目でモデルの様に整った外見の彼女に尋ねた。
「どうしてこの子は前足が両方ないんだ」
「ニャア」
「何でも生まれてすぐに車のエンジンに巻き込まれて」　
　妹は兄に答えて話した。
「それでね」
「どちらの足も失ったのかい」
「そうなの。今飼い主を探しているけれど」
「それなら僕がなるよ」
　妹に即座に答えた。
「是非ね」
「兄さんが？」
「放っておけないよ、それにこの子に会ったのは神様のお導きだ」　
　こう考えてだというのだ。
「それならだよ」
「兄さんが家族に迎えてくれるのね」
「そうするよ、うちの子達と一緒にね」
　自宅の二匹の犬達、どちらも雄で黒のブルドッグのマチス、ゴールデンレッドリバーのミッドのことを言った。どちらも優しくていい子だ。
「育てていくよ」
「じゃあお願いするわね」　
　妹もそれならと頷いた、そして動物病院からだ。
　その雌猫はダックと名付けられてコディの家族の一員となった、それから暫くしてハンナは兄の家に行ったが。
「ニャア」
「ワン」
「ワンワン」
「あら、随分ね」
「可愛がってもらってるね」
　コディは妹に犬達に寄り添って一緒にいるダックを見ながら話した、子猫は後ろ足だけで立って歩いて彼等と遊んでいる。
「二匹共なんだ」
「ダックを可愛がっているのね」
「凄くね、いつも一緒にいてね」
　そのうえでというのだ。
「寄り添って世話をして」
「親子みたいだけれど」
「自分達の子供みたいにだよ」
　まさにというのだ。
「そうした感じでね」
「そうなのね」
「うん、僕も可愛がって育ててるつもりだけれど」
　それでもというのだ。
「その僕以上にね」
「二匹はなのね」
「可愛がって育ててくれているんだ」
「いいことね」
「凄くね、前足がなくても」
　それでもというのだ。
「こうしてね」
「幸せになれるわね」
「うん、だからこのままずっとね」
「ダックを幸せにしていくのね」
「彼等と一緒にね」
　二匹の愛犬達を見ながら妹に話した、見ればダックは後ろ足だけで歩きながらもとても活発で犬達と遊んでいた。ハンナもその彼女を見て笑顔になった。　
　その話をネットで見た働きつつカンサス大学医学部に通っているサム＝トックトロップ眼鏡をかけた四角い顔で黒髪をセットしたアジア系の彼は自宅の庭を掃除していた恋人のマーサ＝チンアジア系独特の黒い目で黒髪を持つロングヘアで長身の彼女が家から戻ってから言われた。
「猫達がいたけれど」
「庭に？」
「ええ、この子達ね」
「ニャア」
「ナア」
　見れば白と焦茶の模様で鼻と口の右の部分も焦茶の模様がいる子猫達だ、マーサはその子達を抱きながらサムに言った。
「お兄さんの方は後ろ足が動かないの」
「そうなんだ」
「妹の方は何もないけれど」
「それでその子達をどうするか」
「どうしようかしら」
「このままじゃ放っておけないからね」
　サックはコディの話を思い出しながらマーサに話した。