八条学園騒動記
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第七百三十話 種類が違うその四
「そうなのだ」
「人種や民族で出来ないということはですね」
「ない、そこを間違るとな」
「足下を掬われますね」
「そうなる」
「二十世後半の、ですね」
「そういうことだ」
欧州各国つまり自分達がとだ、大尉はまた自分の言葉の中に言葉今度はその欧州各国というものを入れて話した。
「あの時はな」
「産業革命以降の科学はですね」
「白人しか持てないとだ」
「思い込んでいましたが」
「それは大きな間違いだった」
「日本が備え」
「二次大戦でそれを証明してだ」
そうしてというのだ。
「白人だけが産業革命以降の技術を持ててだ」
「使いこなせるかというと」
「違うということを証明してみせ」
そしてというのだ。
「大きな一撃を与えてだ」
「白人は無敵の半神ではないとですね」
「まずは日露戦争で示したが」
欧州列強でも最強の陸軍を持っていたこの国にというのだ。
「二次大戦でもだ」
「そうしてみせて」
「その大きな一撃で力も奪ったしな」
欧州各国からというのだ。
「そもそも二次大戦の影響でだ」
「欧州各国は荒廃していました」
「一次大戦でもそうだったしな」
「それで、でしたね」
「植民地を抑えられなくなり」
そうしてというのだ。
「有色人種達は独立し」
「彼等も国家と技術を持ち」
「発展してだ」
「今に至りますね」
「誰でも技術は持てるということだ」
それがどれだけ素晴らしいものでもというのだ。
「誰ががしようとすることを無理だと嘲笑する輩はな」
「それで終わりですね、私もそうした輩に言われたことがありました」
「そうなのか」
「高校時代に、何でもその輩は今では」
「身を持ち崩しているな」
「チンピラになっているそうです」
「そんなものだ」
大尉は上等兵のその話を聞いて冷たく言った。
「そんなことを言う奴は自分勝手に思い上がっていてだ」
「天狗になっていますね」
「天狗になればだ」
「それで終わりですね」
「そこから成長しない」
そうなるというのだ。
「人間も国家もな」
「それで我々はですね」
「努力することだ」
天狗にならずというのだ。
「連合の様にな」
「そうすることですね」
「だからサバンナの生きもの達の家畜化もだ」
これもというのだ。
「決してだ」
「馬鹿に出来ないですね」
「むしろだ」
「褒め称えることですか」
「世の中無駄な努力はない」
一切とだ、大尉は言い切った。
「その時失敗してもその努力がだ」
「他に生きますか」
「努力は財産になる」
それ自体がというのだ。
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