厨二病の子の素顔
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第二章
「お寺とは関係ない」
「いや、このお寺のこと滅茶苦茶詳しいし」
「歴史もどういったことしてるかも」
「細かい場所まで知ってるし」
「実はじゃないの?」
「そ、そうだよ」
皆の追及に耐えかねてだ、宮田はt類に白状した。
「俺はこの寺の住職さんの息子で跡取りなんだよ」
「ああ、やっぱりな」
「それでこのお寺で生まれ育っていて」
「何でも知ってるんだ」
「そうなんだ」
「そうだよ」
観念した顔で言うのだった。
「それで修行僧の人達にもよくしてもらって一緒に」
「修行もしてるんだ」
「お坊さんの」
「そうなんだ」
「そう、そして」
それにというのだった。
「お寺のお掃除とかお仕事もしてるよ、毎日」
「そうなんだな」
「真面目にやってるんだな」
「お寺で」
「総一郎君は凄く真面目でいい子だよ」
案内役の僧侶がにこりと笑って話した。
「毎日朝早く起きてね」
「修行してるんですか」
「お掃除とかも」
「そうしてるんですか」
「そうだよ、いいお坊さんになるよ」
「それはその」
僧侶の話にだった。
宮田はバツが悪そうな顔をするだけだった、そのうえで。
クラスメイト達を案内した、その間厨二ネタは言わなかった。
そして翌日からだった、彼はクラスでは無口で大人しい少年になった、厨二ネタは言わずそうなっていてだ。
寺で真面目に修行を続け学び跡を継いだ、そうなった時に小学校の同窓会の場で笑って言ったのだった。
「いや、厨二だったね子供の頃の僕は」
「実はそれは学校でだけで」
「実は真面目だったんだな」
「お寺では」
「み仏の教えは子供の頃から親しんでいたから」
成長した顔で言うのだった。
「だから信仰心あって好きだったから」
「それでか」
「そのうえでか」
「子供の頃からか」
「修行して学んでいたよ、けれど学校でそれを出すのも恥ずかしくてね」
それでというのだ。
「ああなっていた時期もあったんだ」
「照れ隠しか」
「あの厨二は」
「そうだったんだな」
「思えば子供だったよ」
こう言うのだった、そしてだった。
宮田は同窓会であれこれと話して楽しんだ、厨二だった頃のことも今では懐かしい思い出になっていた。
厨二病の子の素顔 完
2023・12・20
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