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星河の覇皇

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第八十五部第四章 メキシコの思惑その十一

「そこが狙い目です」
「この連合で裏の手段が使えない」
「それは弱点です」
「それも大きな」
「それでも優秀な御仁ですが」
 ガラサは八条の優れた資質については素直に称賛の言葉を述べた。
「対するなら」
「裏となる」
「はい、まあ今はあの御仁はまだ出て来ていないので」
「考えることはないですね」
「あくまで仮定としてです」 
 それでというのだ。
「申し上げただけです」
「そういうことですね」
「それと」
 ガラサはさらに話した。
「カバリエ外相のことは」
「その癖をですね」
「衝いていきますと」
「対しやすいですね」
「そうかと。では」
「中央政府外務省とですね」
「対していきましょう」 
 その彼等と、というのだ。
「これからは」
「それでは」
「その様に、しかし」 
 ガラサは話題を変えた、その話題はというと。
 今食べている野菜スティックの蕪を食べて話した。
「このホテルのビュッフェは」
「絶品ですな」
「朝のそれは」
 こう言うのだった。
「実に」
「これが朝だけでなくです」
「ディナーもですか」
「実に素晴らしく」
 グリーニスキーはガラサに話した、そうしつつシャンパンの小さなグラスを手に取ってそれを口に含む。
「もう何日どころか」
「ずっとですね」
「いたくなります」
「そこまでのものがありますね」
「料理だけでも」
「ではホテル全体で」
「最高のサービスと状況で」 
 それでというのだ。
「もうです」
「出来るならですか」
「一生です」
「住んでいたいですか」
「ある大金持ちは屋敷を持たず」
 そしてというのだ。
「ホテル暮らしとのことですが」
「その理由もわかるのですね」
「それが出来るだけの資産があれば」
 一生ホテル暮らしが出来るまでのだ。
「もうです」
「ホテルで暮らす」
「その方がです」
「快適ですね」
「食事もサービスも充実しているので」
 だからだというのだ。
「いい生活なので」
「それならですね」
「もう屋敷に住んで」
 そしてというのだ。
「そこで使用人達に囲まれて暮らすよりも」
「快適とのことで」
「それで、です」
「ホテルで、ですか」
「過ごす人もです」
「そういうことですか」
「実際にそうした人がいて」
 ガラサはグリーニスキーにこうも話した。 
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