妹が歯を磨けと言う理由
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第二章
リビングに出て兄に言われた動画を観て言った。
「ああ、歯を磨かないとね」
「本当にこうなるのか?」
兄は真顔で尋ねた。
「歯を磨かないと」
「歯茎が腐って歯がどんどんなくなって」
「残った歯もボロボロになってな」
「お口のからバイ菌入って顎にもいって」
「顎も酷いことになるってな」
「この動画知ってるわ」
これが妹の返事だった。
「私この動画観てね」
「そうしてか」
「毎食後磨く様になったのよ」
「そうだったのか」
「怖いでしょ」
「滅茶苦茶な」
兄も否定しなかった。
「洒落になってないな」
「ここまでなるには何十年もだけれど」
「磨いていないとか」
「なるけれど」
それでもというのだ。
「普通にちょっと磨いていないと」
「虫歯にもなるか」
「それで痛くなるし」
虫歯がというのだ。
「歯周病にもなるし歯が悪いと他の部分にもね」
「影響するか」
「そう、集中出来ないし」
歯の痛みでというのだ。
「傷口からバイ菌入るし」
「僕達が観た漫画動画みたいにか」
「あそこまでならなくてもよくないし」
傷口からバイ菌が入ることがというのだ。
「最初からね」
「よく磨いておくことか」
「そうよ、あの動画みたいになりたくないでしょ」
「本当に怖かったよ」
「私もそう思ったし。それじゃあ」
「僕も磨くな」
「そうしてね」
兄に切実な声で言った。
「本当に」
「そうしていくな」
「ええ、それじゃあね」
「歯磨きしていくな」
「三食後いつもね」
「絶対にな」
妹に言ってだった。
武蔵は実際に三食後絶対に歯を磨く様になった、そしてずっと歯と口は清潔でそこから健康であり続けた。あの動画の様になりたくないと思いつつ。
妹が歯を磨けと言う理由 完
2023・12・19
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