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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第四十九章

「では遠慮なく使わせてもらおう。いいな」
「では使え。俺の力もな」
「渡、俺達もだ!」
「ここは凌ぎますよ!」
 キバットとタツロットも紅に対して言う。84
「いいな、耐え切れ!」
「僕達も頑張りますから!」
「うん」
 紅は彼等の言葉に対して力強く頷いた。そうしてそのうえで二人はそれぞれマントで身体を覆うようにして護る。スサノオの攻撃は実に凄まじい数と威力のエネルギー弾の乱射であったが彼等はそれに何とか耐え切ろうとしていた。
「まだだ、この程度で」
「僕達はやられはしない」
「そうか。まだ耐えられるというのか」
 スサノオは両手の掌からその凄まじいエネルギー弾を放ちながら言った。
「見事だ。しかし」
「何時まで耐えられるかとでも言うつもりか?」
「その通りだ」
 音也に対して述べた。
「果たして何処までな」
「何度でも言うがそれは決まっている」
 またスサノオに対して言う音也だった。
「俺は耐え切る」
「僕も」
 紅もまた同じであった。
「そして今度こそ御前を倒してやる」
「次の攻撃の時には」
「そうか。ならば耐えてみることだ」
 言葉のうえではそうした彼等を笑っているようだった。しかしそれは決して嘲笑などではなくそこにはある種の見るようなものが感じられてはいた。
「最後までな」
「渡、死ぬな」
「父さんも」
 こう言い合いながらスサノオの攻撃を凌いでいく。それは確かに激しかった。だがそれでも二人は何とか耐え続けていた。
「ふむ、まだ耐えているか」
「この程度か?」
 音也はその中であえて強気に言ってきた。
「俺はこの程度でまた死ぬわけにはいかないんだがな」
「僕も」
 紅もだった。
「まだだ。まだ倒れない」
「ならばだ。より攻めてやろう」
 スサノオは二人の言葉を受ける形でさらに攻撃を浴びせてくる。それはまさに嵐だった。
 だがそれでも二人は耐える。何とか必死に耐えている。そうして遂にスサノオの攻撃が終わった時。彼等は生き残っていたのだった。
 しかしそれはふらふらになっていた。紅と音也も今にも倒れそうだ。しかしそれでも立っているのは事実だった。
「ほほう、生きていたか」
「言った筈だ。俺はこの程度では死なないとな」
「僕も」
 そしてそれは紅も同じだった。
「まだ。死ぬわけにはいかないから」
「そうか。では次はどうするつもりだ?」
 スサノオは悠然と立ったまま彼等に対して問う。
「私を倒すとでもいうのか?」
「それ以外に何がある?」
 音也はふらふらする足でそれでも姿勢を正してきた。
「言葉通り攻撃は耐え切った。それならだ」
「貴方の攻撃はこれで終わり?」
 紅もまた。それでも姿勢を正すのだった。
「それなら今度は僕が」
「渡、どっちにしろ攻撃はこの一撃しかないぜ」
「もう一撃出す体力はありませんよ」
 キバットとタツロットが言ってきた。
「こっちもだ」
「俺達もか」
「そうだ。俺達も出せる攻撃はあと一回だけだ」
 二世は音也に対して告げてきた。
「最後のな」
「それで充分だな」
 音也はそれをただ受け止めるだけだった。
「一撃あれば充分だ」
「そうか。それならいいがな」
「いいか、渡」
 そのうえでまた我が子に対して声をかけてきた。
「一撃で充分だな」
「うん、一撃でね」
 そして紅もそれは同じだった。
「決めるよ。じゃあ父さん」
「行くぞ」
「ウェイクアップツー!!」
 二世がここで叫ぶ。そうして音也は天井高くまで跳び上がった。
 
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