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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第四十一章

「そう甘く見ない方がいいよ」
「何っ!?」
「今まで僕は貴方の攻撃をかわしてばかりだったけれど」
 実は今までは積極的に攻めてはいなかったのだ。もっとはっきりと言えばレイの攻撃をかわしたり受け流すばかりで攻めなかったのである。
「それが何故だかわかる?」
「何だとっ!?」
「測っていたんだよ」
 彼はこう言うのだった。
「貴方の強さをね」
「俺の強さをだと」
「確かに貴方は強いよ」
 彼もそれは認める。
「けれどね」
「まだ何か謂うつもりか」
「そうだよ。貴方が幾ら強くても」
 肩を落としそのうえで掌を開く。そのうえで腰を落とす。紅も取ったあの構えであった。
「行くよ、キバット!」
「おうよ!」
 キバット四世も彼の言葉に応える。
「キバってな。行くぜ!」
「うん!」
 周囲が闇に覆われそうして正夫のキバの後ろに白い三日月が見える。彼はそれを背にして右足を掲げそこに力を込めていく。そうして頭を逆にしてそのうえ宙に舞い。そうしてそこから急降下しレイに対して蹴りを打ち込んだのだった。
「これならっ!」
「うぐっ!」
「貴方もかわせない筈だ!」
 蹴りを打ち込むとそれで蹴りを受けたレイの背中にあの紋章が浮かんだ。キバの蝙蝠の紋章が浮かんだのであった。
「これで決まりだね」
「ぐう・・・・・・」
「僕の勝ちだよ」
「馬鹿な。強くなった俺が何故ここで」
「強くなってもね。勝てない時があるんだよ」
 攻撃を放ち崩れ落ちようとするレイを見据えて言うのだった。
「その時がね」
「どういうことだ」
「強さを見切られた時だよ」
 正夫は今度はこう彼に告げた。
「その時にはね。負けるんだよ」
「それが今ということか」
「その通り。だから僕は勝てたんだ」
 また言うのだった。
「貴方に」
「紅正夫・・・・・・」
 最後の彼の名を呟きながら前に崩れ落ちそのうえで白峰の姿となって事切れた。正夫は彼に対して勝利を収めたのだった。
 登は剣を手にアークと闘い続けていた。アークはその巨体の手足を上から振り下ろしそのうえで彼を潰さんとしていた。
 しかし登はその素早さを武器にその攻撃をかわす。そうしてそのうえで隙を見て攻撃を仕掛ける。しかし彼の体力は桁外れであり効いているようには見せなかった。
「この程度で俺は倒せぬ」
「効いていないというのか?」
「その通りだ」
 悠然と彼を見下ろしながらの言葉だった。
「この程度はな。通じぬわ」
「くっ、化け物が」
「化け物?褒め言葉だ」
 こうさえ言う程だった。
「俺にとっては」
「どうやら心まで完全にそうなってしまったようだな」
「御前がそれを言うとはな」
 アークは今の登の言葉を見下ろしながらせせら笑ったのだった。
「心外だな」
「俺がファンガイアの王だからか」6
「如何にも」
 やはり答えはそこにあった。
「それ以外に何の理由がある?貴様がファンガイアであるからだ」
「ファンガイアは化け物じゃない」
 登はアークのその言葉を否定した。
「人間だ。ファンガイアも人間だ」
「面白いことを言うな。ではレジェンドルガも人間だというのか?」
「そうだ」
 はっきりと言い切ってみせたのだった。
「レジェンドルガもまた人間だ。しかし」
「しかし?」
「御前は人間じゃない」
 アークを見上げ毅然として言うのだった。
 
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