イベリス
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第百二十九話 すっきりしてその五
「それにあの人痛風になってたし」
「何かビールとかお肉好きで」
「それでね」
そうした食生活の為にというのだ。
「試合中でも動かなかったのは」
「痛風のせいだったの」
「あの病気ちょっと風に当たっただけでも痛いっていうし」
だから痛風と呼ばれるのだ。
「それでね」
「試合中でもなの」
「あの人抗議しない人だったけれど」
このことでも有名だったというのだ。
「何あっても怒らない」
「選手の人達が何やらかしても」
「星野さんだったら切れて」
そうなってというのだ。
「大暴れする状況でも」
「怒らなかったの」
「表情にも殆どね」
「出なかったのね」
「そんな人だったらしいけれど」
それでもというのだ。
「そこまで厳しくなかったってね」
「言われてるの」
「食生活には気を付けろって言っても」
それでもというのだ。
「そんなね」
「厳しくても」
「それこそ禅宗のお寺みたいな」
そこまでのというのだ。
「厳しさはね」
「なかったの」
「そうみたいよ」
「そうだったのね」
「ええ、けれど豆乳飲むことも」
このこともというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「飲むお豆腐だし」
こうも言ったのだった。
「いいのよ」
「そうなるわね、お豆腐はね」
「身体にいいでしょ」
「美味しくてね」
「だからね」
それでというのだ。
「豆乳も飲んでね」
「あったら」
「そうしてね」
是非にというのだった。
「こちらも身体にいいから」
「だからよね」
「そうよ、それでアルバイト夕方よね」
「それまで自由よ」
「だったらね、私のお家来る?」
「お姉ちゃんのところに」
「それかまた駅巡りするか」
アルバイトの時間までというのだ。
「どれかする?」
「そうね、それじゃあね」
愛のその話を聞いて言った。
「駅巡りをね」
「するのね」
「そっちがいいかしら」
「じゃあね」
咲のその言葉を受けて笑顔で応えた。
「そうしよう」
「それじゃあね」
「夕方まで時間あるから」
それでというのだ。
「その間何もしないっていうのもね」
「ないわね」
「退屈しなかったら」
そうであるならというのだ。
「それだけで幸せだしね」
「退屈ね」
「人間色々趣味や娯楽があるのは」
それはというと。
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