新オズの臆病ライオン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六幕その四
「髪の毛だってね」
「よく言われるよ」
「奇麗にセットもして」
「ははは、古代メソポタミアではね」
「そうすることがお洒落だってね」
「これがファッションだったからね」
それでというのです。
「オズの国でもだよ」
「セットしているんだね」
「そうなんだ」
そうしているというのです。
「私はね」
「成程ね」
「自慢のセットだよ」
お髭と髪の毛のそれはというのです。
「そして毛深いこともね」
「自慢なんだ」
「そうだよ」
見れば手足に胸もかなり毛深いです。胸毛なんてもうジャングルみたいです。その毛を触りつつ言うのでした。
「鬣みたいに思ってるよ」
「あっ、わかるかも」
臆病ライオンはその言葉に反応しました。
「毛が鬣みたいにってのは」
「君はわかるんだね」
「うん、僕だってね」
「鬣が自慢だね」
「ライオンの雄にはあるけれど」
「格好よくてね」
「僕達の自慢だよ」
ギルガメスさんに笑顔で答えました。
「何といってもね」
「それと同じでね」
「ギルガメスさんはだね」
「お髭と髪の毛とね」
「体毛はだね」
「自慢だよ」
全身毛だらけの状況で言うのでした。
「手や足の甲、指にもね」
「毛があって」
「これが最高にだよ」
まさにというのです。
「私にとってはね」
「自慢であって」
「誇りだよ、剃ることはね」
これはといいますと。
「絶対にね」
「ないんだね」
「ないよ」
全く、そうしたお言葉でした。
「何があってもね」
「うん、それもまたファッションで誇りだね」
腹ペコタイガーはここまで聞いて頷きました。
「ギルガメスさんの」
「そうだね」
「じゃあこのままだね」
「私はいくよ、あと服や武器もね」
こうしたものもというのです。
「かなりね」
「凝ってるんだ」
「そうなんだ」
こう言うのでした。
「私はお洒落だよ」
「そうなんだね」
「少なくともそのつもりだよ、それで会議の時は正装で来させてもらうけれど」
「古代メソポタミアのかな」
「ははは、乞うご期待だよ」
その服はというのです。
「またね」
「その時にだね」
「見てね」
「それじゃあね」
ギルガメスさんとこうしたお話をしました、その後でギルガメスさんは日光浴をしている場所に戻ってです。
皆は庭園の中を歩いて見て回りましたがその中で。
臆病ライオンはとても楽しそうにこう言いました。
ページ上へ戻る