X ーthe another storyー
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第四十七話 慕情その十三
「剣もね」
「渡してくれますか」
「そうするわ」
「その時に」
封真は確かな声で応えた、そしてだった。
彼はその日は家に帰った、だが。
誰もおらずだ、翌日学校で神威に話した。
「一人で家にいてもな」
「寂しいか」
「誰もいないのはな」
「そうか、俺もだ」
神威は封真の話を聞いて答えた。
「東京に戻った頃はな」
「一人だったな」
「その一人がな」
そうであることがというのだ。
「寂しかった」
「その気持ちがわかった」
「そうか」
「ああ、やっぱり俺達は三人でないと駄目だな」
封真は自分にも言い聞かせる様にして言った。
「本当にな」
「そうだな、それならな」
「戦いが終わればな」
「三人でな」
「暮らそう、しかしだ」
それでと言うのだった。
「俺は地の龍になってな」
「よかったか」
「仲間、友達が出来たからな」
それ故にというのだ。
「よかったと思っている」
「俺もだ、天の龍になってな」
「仲間、友達が出来たからか」
「よかった、しかも今のところな」
「皆無事だな」
「そうだしな」
「そのことはよかったな、俺達は違った」
星史郎のことを思い残念そうに述べた。
「あの人がな」
「そうだった、済まない」
「あの人のことを思い出させてか」
「そして俺達はよかったと言ってな」
「いい、あの人はああなりたかったんだ」
「だからか」
「いい、だがあの人も友達だった」
封真はやや俯き悲しい顔になって述べた。
「だからな」
「死なれて寂しいか」
「嘘吐きだったかも知れないがいい人だった」
星史郎のことをこうも言うのだった。
「だからな」
「死んで欲しくなかったか」
「そうだった、皆薄々感じていて止めていたが」
「聞いてくれなかったか」
「そうだった、だが他の皆はな」
地の龍のというのだ。
「無事だ」
「だからか」
「いい、そして今戦えるのは俺だけだが」
地の龍の中でというのだ。
「お前ももう一人の人もな」
「倒すか」
「それが俺の運命だからな、しかしな」
「それでもだな」
「お前とまた一緒に暮らす」
「小鳥も交えてか」
「そうだ、地の龍が勝てば人間は滅ぶが」
そうなるがというのだ。
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