新オズの臆病ライオン
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第五幕その十
「今僕達は会議の準備をしているけれど」
「それが終われば」
「その時はね」
「空中庭園にだね」
「行くこともね」
このこともというのです。
「出来るよ」
「時間が出来たら」
「その時はね」
「それじゃあね」
そのお話を聞いてです、臆病ライオンも笑顔で言いました。
「準備をね」
「皆で頑張ってね」
「早く終わらせようね」
「そうしよう」
こう言うのでした。
「是非ね」
「それじゃあね」
「そういえばね」
ここでドロシーが言ってきました。
「空中庭園って紀元前のもので」
「大昔だね」
「それだとね」
かかしと樵が応えました。
「もうね」
「二十一世紀から見れば」
「そんな大昔だと」
それならというのです。
「技術だってまだまだで」
「ものもなくてね」
「そんな頃に今で言うビルの屋上に庭園なんてね」
「今じゃ普通でも」
「昔はね」
「相当に凄いことよね」
ドロシーはこのことをしみじみとして言いました。
「それって」
「そうだね」
「それもかなりね」
かかしも樵もそれはと応えます。
「外の世界だと余計にだね」
「魔法だっておおっぴらにないし」
「それだとね」
「相当大変なことだったね」
「ああ、だからですね」
神宝がここでふと気付いて言いました。
「空中庭園は世界の七不思議の一つでしたか」
「何が凄いって」
「昔だとそんなものを造ることが」
「そのことが難しかったのね」
「他の世界の七不思議も」
「そういうことだね」
恵梨香達四人も納得しました。
「要するに」
「ピラミッドとかも」
「確かに昔だと造るの大変だよ」
「人手もかかるし」
「昔はブルドーザーとかクレーン車もないし」
「そうだよ、だからなんだ」
魔法使いも五人に言います。
「昔はね」
「とんでもない建築物で」
「不思議だった」
「こんなもの築けることが」
「それで七不思議ですね」
「バビロンの空中庭園も」
「そうなんだ、もっとも今だとね」
この時代ならというのです。
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