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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第二十一章

「ほら、あれがね」
「んっ!?」
 見ればダークネスムーンブレイクを受けてもまだ糸矢は立っていた。しかしふらふらしており倒れるのは時間の問題と思われていた。しかしここでもあの狂気の笑い声を出すのだった。
「チューーーリッヒヒヒヒヒヒ、まだまだあ!」
「まだってもう死に掛けじゃないか」
 タツロットは彼がもうふらふらなのを見て言った。
「あれで何をするつもりだっていうんだろう」
「サバトだね」
 紅は冷静にタツロットのその言葉に答えた。
「多分ね。あれをやると思うよ」
「ああ、あれか」
 キバットは紅のその言葉を聞いてベルトから納得した声をあげた。
「今ならあれができるな」
「あのキック受けて流石に助かることはないから」
 紅はこのことも計算に入れていたのだった。全て読んだうえで闘っているのだった。
「だから。最後の力を振り絞ってね」
「来たよ!」
 タツロットがここで周りを見回しながら叫んだ。
「皆に倒されているライフエナジーが増加しているよ!」
「うん、わかってる」
 紅はその有様も冷静に見ていた。顔は糸矢から離さないまま。
「一つの場所に集まろうとしていると」
「あの蜘蛛野郎、自分が助からないと思ってだな」
 キバットは今糸矢が両手を高々と掲げてそのうえで己の前に今の闘いで次々と倒れていっているネオファンガイア達のライフエナジーを集めているのを見て言った。
「ああやってサバトを作ってそれで俺達を道連れにするつもりか」
「そう。だからここで」
 紅は強い言葉で言うのだった。
「キャッスルドランに来てもらうんだ」
「よし、わかった!」
 キバットは今の彼の言葉に強い声で頷いた。
「今来たぜ、キャッスルドラン!」
 丁度ここで巨大な城の竜キャッスルドランが姿を現わした。またそれと同時に糸矢が集めたエナジーが巨大なサバトとなった。ドランはそのサバトに対して上から襲い掛かった。
「さあ、どうなる!?」
「勝てるよ」
 紅はそのドランとサバトを見上げながらキバットに対して答えた。
「ドランならね」
「まあそうだな」
 キバットも今の紅の言葉に納得して頷いた。
「あいつなら大丈夫ってやつだな」
「うん」
「ガーーーリッククククククク、そう上手くいくかあ!?」
 糸矢は今まさに倒れようとしていてもそれでも彼であった。
「今度のサバトは極めつけ!俺の最後の力が入ってるしなあ!」
「最後の力が入っていてもそれでも」
 紅は言うのだった。
「サバトは勝てないよ。何故なら」
「何故なら!?」
「僕もいるから。タツロット!」
「出番ですか?」
「今ね。行くよ!」
「はい!」
「跳ぶんだ!」
 タツロットがキバの両肩の翼に触れた。しかし彼はここからエンペラーフォームに変身するのではなくそこから一気に龍の如き姿になった。あの飛翔態だった。
「何だその姿!?」
「キバには幾つもの姿があるんだ」
 その翼のある姿のうえで人の言葉を発する。
「そのうちの一つがこれなんだ。行くよ!」
 一声あげると飛んだ。そうして高速で螺旋状に飛びつつそのうえでサバトに攻撃を浴びせる。その翼を刃にしてそのうえで切り刻んでいく。
 そこにドランも上から急降下して体当たりを仕掛ける。サバトは口から炎を吐いてドランを防ごうとし、そしてその巨大な腕でキバを叩き落そうとする。しかしそれは適わず傷を受けていく。
 そうして最後に胸にキバの体当たりを受けた。キバはそれを終えると着地しそのうえでキバの姿に戻る。そして最後にドランが口から吐く炎を受けガラスの様に砕け散った。後は天に上がった球状のエナジーがドランに捕食される。それで終わりであった。
「俺の渾身のサバトが!?」
「サバトはもう闘っているから」
 キバに戻って着地していた紅は立ち上がりながら唖然とする糸矢に対して継げた。
 
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