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星河の覇皇

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第八十五部第三章 北京星系を見てその五十

「至ってな」
「左様ですね」
「ロシアは連合四大国の一国です」
「持っているものは非常に多いです」
「フィジーとは比べものにもなりません」
「そしてオーストラリアも」
 グリーニスキーが言ったこの国もというのだ。
「非常にですね」
「豊かな資源を持つ星ばかり所有しています」
「産業も発達しています」
「農業も漁業も工業もかなりです」
「ハイテク技術も持っていて」
「非常にです」
「豊かな国です」
「そうした国から見ればフィジーに渡すものはだ」
 それがフィジーにとってはかなり大きなものでもというのだ。
「至ってな」
「些細なものですね」
「ロシアやオーストラリアの様な大国から見れば」
「左様ですね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「彼等もそれがわかってだ」
「あえてですか」
「腰が据わっていない様に見せていますか」
「その可能性もありますか」
「そうだ、なら鞭は見せるが」
 グリーニスキーは強い口調で話した。
「しかし実際にな」
「飴もですね」
「渡しますね」
「そうしますね」
「あえて乗る、だがロシアはオーストラリアとは違う」
 ここでだ、グリーニスキーは。
 その目の光を強くさせた、そのうえで周りに対して話した。水風呂で身体を冷やしているがそれ以上に冷たい目になっていた。
「こうした特はだ」
「容赦なくですね」
「鞭を見せ」
「甘い態度には警戒をさせますね」
「何度も飴を渡すことはしない」
 ロシアはというのだ。
「一度は渡してもな」
「しかしですね」
「それでもですね」
「何度もとはですね」
「そこまではしない、水面下で警告を出し」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「二度と、ですね」
「そうしたことはさせないですね」
「それが芝居でも」
「そうする、だがオーストラリアが先に動くならな」
 その場合はというと。
「やはりな」
「あの国に任せ」
「そしてですね」
「我々は何もしない」
「そうしますね」
「やはりロシアは余計なことはしない」
 またこのことを言うのだった。
「だからな」
「あの国が先に動くなら」
「そうしてですね」
「あの国がフィジーにどれだけ飴を与えても」
「構わないですね」
「そうだ、だがフィジーは馬鹿ではないと言ったが」
 それでもというのだ。
「こうしたことでも然りだ」
「飴は何度も貰えない」
「そのこともわかってますね」
「フィジーにしても」
「一度貰うとな」
 それでというのだ。 
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