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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第十一章

「しかしだ」
「しかし?」
「方法。知ってるんでっか?」
「あることにはある」
 彼はまた三人に告げた。
「それはだ」
「それは?」
「一体!?」
「どんな方法ですか?」
 こう言って三人はそれぞれ身を乗り出してきた。
「それ使えば未来に行けるんなら」
「すぐに教えて下さいや」
「私達すぐに行きますから」
「デンライナーだ」
 嶋が出したのはこれだった。
「それを使えば未来に行くことができる」
「あれっ、そういえば渡って」
 ここでまた紅の言葉を思い出す静香だった。どうも彼女の記憶は言われてからそれでやっと気付くらしい。厄介な記憶ではある。
「デンライナーのことも言ってたわ」
「そうやったんか」
「ええ。時を自由に行き来できる電車があるって」
 このことを襟立と恵に話す。
「言ってたけれど」
「そんな便利なもんがあったんか」
「それなら私達にも教えてくれればいいのに」
「しかしだ」
 またここで言ってきた嶋だった。
「それ破棄身達には使えない」
「何や、それ」
「じゃあ誰が使えるんですか?」
「デンライナーにはそれぞれ車掌がいる」
 このことを三人に話す。
「そして特異点であるイマジン達を乗り移らさせそのうえで戦うライダー達がいる。その彼等がいなければデンライナーには何の意味もない」
「私達には意味ないんですか」
「何や、やっぱりここに居残りか?」
「何よ、それ」
「諦めることだ」
 嶋は項垂れた三人にクールに告げた。
「ここはな。仕方がない」
「渡、大丈夫かしら」
 静香は紅のことを心配するしかなかった。諦めた証拠に他ならない。しかしここで。三人の前に見るからに怪しい緑と黒の男が姿を現わしたのだった。
「いやあ、探した探した」
「!?この人」
「誰や?」
 最初に気付いたのは静香と襟立だった。
「何か頭に手拭巻いてるけれど」
「泥棒か?」
 何とその手拭を鼻のところで巻いている。そのまま漫画に出て来る泥棒だった。その彼が教会の前にこそこそとやって来たのだった。しかも静香達が自分自身を見ていることには全く気付いていない。そのまま教会の中に入ろうとしている。
「ええと、紅渡だったかな」
「渡探してるし」
「何か見るからに怪しいけどな」
「そうね」
 恵は二人の言葉に頷いた。
「とりあえず声かけて」
「ちゅうか見るからに怪しい奴やけれど」
「ファンガイアか何かわからないから」
 そうした類だともう疑っている三人だった。
「おいあんた」
「むっ、何だ!?」
 その正体不明の不審者は襟立の言葉に応えて振り向く。やはり顔は手拭のせいであまりよくは見えないがあからさまに怪しいことには変わりない。
「俺は別に怪しい者ではないぞ」
「見るからにめっちゃ怪しいわ」
 襟立の言葉は主観に基くものではなかった。周りの誰もがそう思っていることだった。
 
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