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夢幻水滸伝

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第三百二十五話 東進の為にその十二

「まことにのう」
「そうか、ほな自分に頼むことがある」
 トウェインは碧の言葉を受けて兎に言った。
「碧ちゃんの肉食を止めてくれるか」
「いやいや、いいことですよ」 
 兎はトウェインに真顔で返した。
「ご主人の婿にならんか初夜はお子様はというのは」
「?そう言えば自分兎か」
「それが何か」
「そうか、兎はそうした欲強かったな」 
 トウェインはここでこのことを思い出した。
「それでそう言うか」
「うむ、兎はそうした欲が強いんじゃ」 
 碧も言ってきた。
「それでじゃ」
「碧ちゃんにもそう言うか」
「そうじゃ」 
「そういうことやな」
「わらわもその助言を受けてじゃ」
「積極的にいってるか」
「そうじゃ」
 その通りだというのだ。
「いつものう」
「そういうことか」
「そうじゃ、しかし断られたら仕方ない」
 碧は吹っ切れた顔で述べた。
「別の殿方にじゃ」
「アタックするか」
「そうする、しかしわらわの申し出を受けたいなら」
「何時でもやな」
「言うんじゃ」
 こう言うのだった。
「わらわは何時でもいいからのう」
「それで就職したらか」
「結納そしてじゃ」 
 そのうえでというのだ。
「式でな」
「初夜やな」
「もう四十八手は全部頭に叩き込んで」
 そうしてというのだ。
「口も手もな。婿殿に尽くすぞ」
「露骨なこと言うのう」
「わらわは全てを婿殿に捧げるけえ」
 両手を頬にやってうっとりとした口調で話した、目はきらきらとして純粋な乙女のそれそのものになっている。
「家事も任せるんじゃ」
「家事出来るか」
「花嫁修業もしてるけえ」
 こちらのことも話すのだった。
「お料理お裁縫お洗濯お掃除とな」
「全部出来るか」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「操を護る護身術も備えておる」
「古武術やな」
「そっちは免許皆伝じゃ、しかも毛利家が大江家だった頃からの伝統ある流派じゃ」
「毛利って長州藩のか」
「そうじゃ、毛利家は最初安芸におられたが」
 吉田郡山城が拠点であった。
「実は鎌倉時代初期の幕府の重臣大江広元さんの子孫でじゃ」
「あそこに領地を貰ってやな」
「やがて毛利を名乗る様になったんじゃ」
「そやったな」
「それでその毛利家がじゃ」
「大江家やった頃からのか」
「流派でかなり実戦的じゃ」
 こうトウェインに話した。
「戦場で使う為のな」
「そやから強いか」
「今は基本活人拳になっちょるが」
 それでもというのだ。
「戦場で使うだけにのう」
「元々は殺人拳か」
「それでじゃ」
「攻撃的な技もあるか」
「何人もの相手が襲って来てもじゃ」
 それでもというのだ。 
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