| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九章

「私がアストレイア。今言ってたじゃないですか」
「それはその通りだ」
 言った本人である名護がそれを認めた。
「しかし。それでもその喋り方は俺も」
「喋り方はそれぞれですよ」
 名護に言われても訂正しようとしない。
「まあそれはそれでいいじゃないですか」
「貴女がいいっていうんならそれでいいですけれど」
 やはり紅が最も優しい。
「それでですね」
「あら、貴方が昔の紅渡君ね」
 この言葉の辺りが時代を感じさせた。
「宜しく。スマートレディよ」
「それはわかってますけれど」
 だが紅も彼女の喋り方には幾分引いてしまっているのも事実だった。
 しかしそれでもだった。彼はスマートレディに対して問い掛けたのだった。とりあえずその喋り方はできるだけ意識しないように努力しながら。
「貴女達が死んだライダー達を蘇らせているんですか?」
「そうよ」
 スマートレディは彼の問いに微笑んで答えたのだった。
「死んだライダー達もね。ちゃんと生き返らさせてもらったのよ」
「それはどうしてなんですか?」
「決まってるじゃない。ライダーはスサノオと戦う為にいるわよね」
「はい」
 これは既に嶋との話でわかっていることだった。
「そうですけれど」
「だからよ。皆その為に何度も生き返ってもらいます」
「何度も、ですか」
「スサノオとの戦いが続く限り生き返ってもらいま~~~~~す」
 また明るく言うスマートレディだった。
「勿論君達もです」
「俺達は何度も生き返る」
 登はこのことを聞いて目を顰めさせた。
「スサノオとの戦いが続く限りか」
「つまり。当分の間死ねないんですね」
「!?それってさ」
 正夫は彼女の話と嶋の話を頭の中で重ね合わさせてそのうえである答えを導き出したのだった。
「僕達あの相川始さんだったっけ。かつてジョーカーだったあの人」
「あの人も今も戦ってますよ」
 当然ながらスマートレディも彼のことは知っているのだった。最後のバトルファイト、ワイルドジョーカーとの決戦の時にも会っているのである。
「いい人ですよ。ライダーとしても」
「そのジョーカーと同じじゃないの?僕達ライダーって」
「そうだよね」
 紅もそれに気付いたのだった。
「僕達って。何度死んでも生き返ってずっと戦うから」
「何度死んでも蘇って戦うことになる」
 名護はここでまた腕を組んでいた。
「俺達は。その運命にあるのか」
「それがライダーの宿命だ」
 嶋はまた正面を見ていた。机の上を見ながら話をするのだった。
「それがな」
「ライダーの宿命」
「何度死んでも蘇り」
「そうして戦う」
 紅、名護、登の二十二年前の三人のライダー達がそれぞれ言葉を出した。
「やっぱりジョーカーと同じですよね」
「あのジョーカーはスサノオが作り出した存在と思うが」
「俺達はそれと同じなのか」
「そうなりますね。スサノオはとにかくライダー達との戦いを続けます」
 スマートレディはまた述べた。
「貴方達の時代から二十二年間もそうでしたよ」
「二十二年間の戦い」
 嶋がまた言葉を出した。
「いや、それよりも遥かに前からだ。ショッカーからはじまり」
「その前からですよバトルファイトやオルフェノクとの戦いもありましたから」
「そうだったな」
 嶋はスマートレディの突っ込みを受けすぐに自分の言葉を訂正させた。
「遥かに以前からか」
「そういうことです。スサノオとの戦いは本当にずっと続きますよ」
 スマートレディの言葉は考えようによってはかなり残酷なことであったがそれでもライダー達も三人の異族達もまたその表情を変えはしなかった。そして言うのだった。
「なら。戦います」
 最初に言ったのは紅だった。
「僕達にその力があるのなら」
「戦うのね」
「俺もだ」
「俺も同じだ」
 名護と登もだった。
「人間の世界を護る、いやスサノオが仕掛けてくるのなら」
「戦おう」
 二人も紅と同じ意見だった。
「まあ僕もそうしないとね」
 正夫も言葉の調子は軽いが考えはしっかりとしたものだった。
「キバ、っていうかライダーなんだしね」
「ライダーはスサノオと戦う運命か」
「っていうか人間だから戦うの?」
「そうなるな」
 次狼達はまずはライダー達について話した。
「俺達もそうさせてもらうか」
「一応僕達もイクサとかなら使えそうだし」
「それならな。戦わせてもらおう」
「はい、そう言ってくれると思ってました」
 スマートレディはもう先読みをしているという感じだった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧