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新オズの臆病ライオン

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第四幕その八

「そんなに怖くない感じね」
「僕達別に何もしないよ」
「大人しいつもりだよ」
 そのゾウアザラシ達が言ってきました。
「沢山食べるけれど」
「狂暴じゃないよ」
「そう、外の世界でも怖いアザラシはいるけれど」
 それでもと言う魔法使いでした。
「彼等はね」
「大人しいんですね」
「穏やかで」
「身体は大きいですが」
「それでもですね」
「優しいんですね」
「そうした生きものだよ」
 こう神宝達五人にお話します。
「彼等はね」
「というか大きくてもね」
 臆病ライオンも言いました。
「怖いかっていうと」
「違うね」
「そうだね」
「言われてみれば」
「大きくてもね」
「怖いとは限らないわ」
「自分より大きな相手には身構えても」 
 それでもというのです。
「大事なのはね」
「中身だね」
「その相手の」
「それを見るべきで」
「外見で判断したら駄目だね」
「例えどれだけ大きかったり怖そうでも」
「そうだよ、そのことはね」
 臆病ライオンはさらに言いました。
「皆もわかってね」
「うん、そうしていくよ」
「大事なのは中身であって」
「性格で」
「外見で判断しない」
「どんな相手も」
「僕なんかライオンだからね」 
 今度は自分のことをお話しました。
「凄く怖いとか恰好いいとか言われても」
「違うっていうんだね」
「臆病ライオンさんは」
「とても怖がりで」
「それで怖くなんかない」
「そう言うのね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「僕はね」
「そうだよね」
「臆病ライオンさん自身が言ってるね」
「怖くない」
「実際怖くないわ」
「とても優しいわ」
「僕に勇気があるかどうかはわからないけれど」 
 時分ではです。
「けれど怖く思われない様にはね」
「しているよね」
「いつも」
「そうだよね」
「実際私達も怖く感じないし」
「むしろ親しみを感じるよ」
「親しみを感じてくれるなら」
 臆病ライオンにしてもです。
「これ以上嬉しいことはないよ」
「そうよね、私最初から貴方が大好きよ」
 ドロシーは臆病ライオンの一番古いお友達の一人として言いました、笑顔で言いますがその笑顔はとても暖かいものでした。 
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