ハッピークローバー
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第百六話 浮気者その九
「地獄に落ちても」
「ええ、ただ浮気は悪いことでも」
「報いを受けても」
「これだけだとね」
「地獄に落ちるか」
「そこまでかしらね」
こう言うのだった。
「確かに最低な行いでも」
「人を殺したりじゃないから」
「ええ、離婚と慰謝料で」
「社会的に終わり位ね」
「それで終わりじゃないかしら」
「報いを受けて終わりね」
「地獄に落ちるって」
それに値する行いはというのだ。
「ただの浮気じゃね」
「そこまでいかないのね」
「そこで何か色々やったらね」
他の悪事をというのだ。
「地獄に落ちるでしょうけれどね」
「まあね、地獄はそうはないわね」
一華も流石にという口調で言った。
「悪いことしても」
「悪い人でも」
「ええ、どうにもならない極悪人もそういないでしょ」
「さっき理虹ちゃんとお話したみたいな人もね」
「実際そうはいないでしょ」
「たまに聞く位?」
「でしょ?それでそこまでの悪人になると」
理虹に行った様にとだ、一華はかな恵に話した。
「皆ついてこないしね」
「まともな人は」
「類は友を呼ぶでも」
それでもというのだ。
「権力やお金や地位さえあればよくて」
「評判とか気にしない」
「実刑受けない限り平気な人ってね」
「そこまでいくと良心ないわね」
「良心ない位の悪人だと」
それこそというのだ。
「もうね」
「そうそういなくて」
「まともな人は誰も付き合わないから」
「ついてもこないわね」
「何時自分が何されるかわからないから」
親しく付き合っていてもというのだ。
「平気で裏切ることもね」
「目に見えてるわよね」
「評判とかまったく気にしないって」
自分の権力や地位財産が無事ならだ。
「自分だけってことでしょ」
「大事なのは自分だけね」
「他人はどうでもいいってことだから」
そうした考えであることがわかるからだというのだ、世の中そうした思考回路の輩もいるということだ。
「それならね」
「もう、よね」
「何かあったら」
その時はというのだ。
「平気でね」
「裏切るわね」
「そうするのわかるし」
「お付き合いすべきじゃないわね」
「お付き合いしても信じたらね」
「駄目よね」
「何があってもね」
こうかな恵に話した。
「そんな人は」
「そうよね」
「そうした人ってそうしたことが好きだと」
富美子は浮気のことを考えて言った。
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