仮面ライダーキバ 目に見えないつながり
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第一章
仮面ライダーキバ 目に見えないつながり
紅渡達のファンガイアとの戦いは終わった。だが名護啓介と麻生恵との結婚式の場に二十二年後の未来から来たという紅の息子正夫の登場により話は一変したのだった。何と二十二年後の未来にネオファンガイアという勢力が出て来て紅達に救いを求めてきたのだ。紅達はそれを受けてまずはその二十二年後の未来に正夫と共に向かった。
飛び込んだ二十二年後の世界は。紅達の予想以上に変わっていた。
「あれっ、携帯がこれ!?」
「あれが車なのか」
まず紅と名護が周りの携帯電話や車を見て驚きの声をあげていた。そのデザインは彼等の時代から見てかなり変わったものになっていたのだ。
「けれど何か変わっていないところは変わっていないですね」
「そうだな」
名護は紅の言葉に頷いた。確かに街は変わっている部分も多いがそのままの部分もあった。丁度紅音矢の時代と彼等の時代と同じようなものだった。
「歌はこんなのですか」
「俺はあまり好きにはなれないな」
「そうなんだ。パパの時代とまた違うんだね」
正夫にしろかなり変わった格好ではあった。彼等の時代から見て。
「けれどさ。ファンガイアはね」
「いるんだ」
「ビショップっていうのがいて」
「何っ!?」
「ビショップが!?」
ビショップと聞いて声をあげたのは名護と登太牙だった。
「あいつが生きていたのか」
「いや。復活したのか」
「何かキングを蘇らせようとしているんだ」
「またあのキングをなんだね」
紅は正夫の話を聞いて残念そうな目になった。
「そしてネオファンガイアを」
「ふうん。パパの時代にもビショップっていたんだ」
「そうだ。俺が倒した」
名護はこのことを正夫に話した。
「倒した筈だが。生きていたのか」
「何かよくわからないけれどファンガイアも一杯いるよ」
「一杯!?」
「僕一人じゃとても手に負えなくて」
正夫は両肩をすくめさせて父に述べた。
「それでパパ達に来てもらったんだ」
「そうだったんだ」
「事情はわかった」
次狼はまずそれはよしとした。
「しかしだ」
「しかし?」
「どうしてビショップが復活した?」
彼が正夫に問うのはそこであった。
「あいつは倒れた筈だ。しかも多くのファンガイア達もいるのだな」
「一杯いるよ」
「何故復活した?」
彼は怪訝な顔でそのことを問題にするのだった。
「俺はそれがわからないがな」
「そうだよね。何でだろ」
ラモンも次狼の言葉を受けて首を捻った。
「死んだ筈のファンガイア達が何故?」
「キングが復活したのはあれだったな」
力は紅達のファンガイアとの最後の闘いを思い出していた。
「ビショップがライフエナジーを集めて蘇らせた」
「その通りだ」
登が力の言葉に答える。
「そうして蘇った。だがそのキングは」
「倒れた」
これは間違いのないことだった。
「間違いなくな」
「ではビショップはだ」
次狼はまた言った。
「誰かが蘇らせたのか?」
「蘇らせた?」
「そうだ。だとすれば誰だ?」
紅に言葉を返したうえでまた述べる。
「ビショップや他のファンガイア達を蘇らせたのは」
「まずはそれを考えるべきか」
名護は腕を組んで思索に入った。
「そうしようか。では正夫君だったな」
「はい」
正夫は名護の言葉に応えた。
「案内しなさい。この世界のことを」
「この世界をですか」
「そうだ。まずはこの世界を知ることだ」
名護の言うことは至極当然のことだった。彼はまずこの世界を知ることからはじめようというのだ。
「図書館か。それとも本屋か」
「ネットでもいい?」
正夫の返事は随分と軽いものだった。
「そっちの方がすぐだけれど。ほら」
「あっ、本当だ」
ラモンは正夫が出してきたその携帯を覗き込んで述べた。見れば携帯でネットがつながっていた。彼等の時代とは比べ物にならない程進歩していた。
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