X ーthe another storyー
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第四十五話 属性その十四
「本当に」
「いいのね」
「はい、後はゆっくりと怪我を治して下さい」
こう言うのだった。
「そうして下さい」
「それではね」
「今は何も心配なくです」
嵐も言ってきた。
「怪我の治療に専念して下さい」
「そうしていいのね」
「はい、是非」
まさにというのだ。
「この度は」
「ではね。それでは退院したら」
その時のことをだ、火煉は笑顔で話した。
「その後はね」
「どうするんだ」
「ええ、皆に美味しいケーキを買って」
そうしてと神威に話した。
「食べてもらうわ」
「ケーキか」
「ええ、どうかしら」
「いいな、やはりケーキはいい」
神威は微笑んで答えた。
「美味い」
「そうでしょ」
「神威ちゃんケーキも好きだから」
一緒にいる小鳥も言って来た。
「それでよね」
「ああ、だからな」
「その時が楽しみになったのね」
「火煉さんが退院する時がな」
「そうよね」
「しかしだ」
ここで神威はこうも言った。
「火煉さんも助かったが」
「どうしたの?」
「一歩間違えれば危うかった」
こう言うのだった。
「そう思うとな」
「運がよかったのね」
「あの攻撃はかなりのものだ」
ビーストのそれはというのだ。
「あと少しな」
「あたりどころが悪かったりしたら」
「本当にな」
その時はというのだ。
「危うかった」
「そうだったから」
「運がよかった、いやこれもだ」
「運命かしら」
「そうかもな」
「ではあれね」
火煉は神威の話を聞いて微笑んで言った。
「私が助かって今ここにいるのは運命ね」
「そうかも知れない、運命でだ」
それでというのだ。
「助かった」
「そうなのね」
「そして若しかしたら」
神威はさらに言った。
「本来の運命ではだ」
「私は死んでいたのかしら」
「そうかも知れない」
「私みたいに」
小鳥はここで自分のそれを思い出して言った。
「死んだ筈が」
「助かったのかもな」
「そうなのね」
「運命は変わるんやな」
空汰は腕を組んで考える顔になって述べた。
「そやねんな」
「その様だな」
神威は空汰にも顔を向けて答えた。
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