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夢幻水滸伝

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第三百二十四話 極寒の自然の中でその十二

「無駄なく」
「そうなのですね」
「また捕まったり傷付いた仲間がいますと」
 今度はマスターが話した。
「それが雌であった場合特にです」
「助けようとですね」
「仲間が集まるので」
「非常に心優しいですね」
「そうした生きものなので」
「助けに来た個体も捕まえられますね」
「そうも出来ます」
「漁しやすいですね」
「左様です」
「では乱獲を禁止しましょう」
 エリカはすぐにこのことを決めた。
「これは他の生きものもですが」
「数が少ない」
「はい、若しその生きものが絶滅すれば」
 そうなればというのだ。
「それだけで生態系を崩しますし絶滅は残念なことです」
「だからですね」
「個体数の少ない生きものはです」
「乱獲を禁止しますか」
「増え過ぎることもよくないですが」
 それと共にというのだ。
「絶滅も残念なことなので」
「それを避ける為にも」
「乱獲は禁止しますか」
「はい、アラスカ州の生態系を調査し」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「数が少ない生きものはですか」
「乱獲を禁止してですか」
「保護しますか」
「そうしますか」
「そうします、それに虐待もです」
 生きもののそれもというのだ。
「禁止します、これは人にもですが」
「当然ですね」
「虐待はあってはなりません」
 市長もマスターもそれはと答えた。
「閉鎖された場所ではよくありますが」
「醜悪な行いです」
「自分より立場や力が弱い相手を虐げる」
 エリカは汚物を見る目で語った、そうしつつパンにバターをたっぷりと塗ってそれを口の中に入れて食べた。
「それはです」
「絶対にですね」
「あってはならないですね」
「そやからです」
 だからだというのだ。
「そうしたことはです」
「禁止しますね」
「人に対しても生きものに対しても」
「乱獲を禁止して」
「それと共にですね」
「そうします、アラスカ州は自然が豊かです」
 そうした州であることも話した。
「それやとです」
「その自然を守る」
「そのことも大事ですね」
「そやからです」
 二人に確かな声で話した。
「そうしたこともしていきましょう」
「わかりました」
「それでは」
 今はエリカの相談役になっている二人も頷いた、そうしてだった。
 エリカはそうした政も行っていった、そしてだった。
 アラスカ州を無事に治めていった、統一も果たし州は自然環境のことも含めて日に日によくなっていった。
 だがそんな中でだ、彼女は思った。 
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