Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

「少しずつでもね」
「減らすことですね」
「そうよ、あとね」
　庚はさらに言った。
「若し他の天の龍が動いたら」
「その時はだな」
「僕達が、ですね」
　草薙と哪吒がすぐに応えた。
「出て」
「そして封真を助けるんだな」
「そうしてもらうわ」
　実際にとだ、二人に答えた。
「その時はお願いね」
「ああ、それじゃあな」
「やらせてもらいます」
「若しもの時はね」
「俺達が行くな」
「そうさせてもらいますね」
「その様にね。ただ哪吒は今回出たから」
　戦いにとだ、庚はこうも言った。
「出来ればね」
「ああ、行かせてもらうな」
　草薙は確かな顔で答えた。
「俺が」
「お願いするわね」
「それじゃあな」
「一対一でもね」
「二対二でもな」
「死なないでね」
「勝つことを第一にすることですね」
　封真が応えた。
「何と言っても」
「そうよ、ではいいわね」
「そうさせてもらいます」
「それで場所は」
　庚はそちらの話もした。
「今回は実は結界を壊さないわ」
「あくまで天の龍を倒すことですね」
「それが目的だから」
　それが為にというのだ。
「それでよ」
「この度はですね」
「結界ではあるけれど」
「その場所は」
「工場地帯よ」
　そこだというのだ。
「京浜工業地帯よ」
「あちらですか」
「東京湾添いのね」
　その一帯のというのだ。
「そちらになるわ」
「あの辺りも結界だったのですね」
「そうよ、立ち並ぶ工場群もね」
　これもというのだ。
「新宿の高層ビル群と同じでね」
「結界になっていますか」
「その建物自体がね」
「霊的な結界ですか」
「その意味もあるのよ」
「そうでしたか」
「それでよ」
「その結界で、ですね」
「戦ってもらうから」
「それでは」
「ええ。お願いするわね」
「あちらに行きます」
　封真は強い声で応えた、そしてだった。
　彼が行くことになり草薙と哪吒は待機することになった、そして颯姫はビーストの修理と共にだった。
　遊人の手当てで傍にいることになった、遊人はベッドに横になって彼女に話した。