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星河の覇皇

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第八十五部第三章 北京星系を見てその三十

「特にだ」
「賄賂をもらわずともです」
「豊かに暮らせます」
「そうした国です」
「だが少しでもな」
 それでもというのだ。
「人はだ」
「求める」
「人間の欲には果てがない」
「だからですね」
「それで、ですね」
「そうだ、賄賂が貰えるなら」 
 そしてそれが罪に問われるかどうかグレーなら尚更というのだ、連合はこの辺りの線引きが実に曖昧なのだ。
「やはりな」
「貰っておく」
「くれるものはですね」
「そしてですね」
「贈ってくれた相手に便宜を図る」
「そうなりますね」
「ある程度でもな、そのある程度がだ」
 まさにというのだ。
「大きくなるものだ」
「左様ですね」
「ではですね」
「賄賂の用意もですね」
「それもしますね」
「金銭でなびかない相手もだ」 
 そちらの欲が希薄な者でもというのだ。
「色々ある」
「芸術品に宝石に邸宅」
「自動車もありますね」
「そじて異性や同性」
「賄賂は色々ですね」
「そうだ、人は必ず欲望がある」
 李は看破して述べた。
「それこそ仏教の解脱に至らない限りはな」
「どうしてもですね」
「それは存在しますね」
「誰であっても」
「どれだけ希薄な人でも」
「その欲が人間を人間たらしめていてだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「文明も進歩させていっていますね」
「人に欲望があるからこそ」
「そのことは事実ですね」
「それはいいことですね」
「そしてその欲をだ」
 まさにそれをというのだ。
「衝くものがだ」
「賄賂ですね」
「所謂贈りものですね」
「それですね」
「謀略の基礎と言っていい」
「それになりますね」
「人は何かしらの欲望がある」
 実際にというのだ。
「そしてそれが何かを調べてだ」
「そのうえで、ですね」
「相手が欲しいものを贈り」
「そうして取り込み」
「かつこちらの為に動いてもらいますね」
「そうする、またなびかない相手もな」
 その賄賂にとだ、李は茶を飲みつつ話した。
「やり方はある」
「相手の弱みを握る」
「それをちらつかせる」
「そうしますね」
「そうして取り込みますね」
「賄賂で済めばまだ心穏やかだが」
 それでもというのだ。 
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