八条学園騒動記
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第七百二十六話 チーターは実はその八
「それでだ」
「いいですか」
「電気椅子ならだ」
この処刑方法ならというのだ。
「まさにだ」
「一瞬ですね」
「それでだ」
それで以てというのだ。
「終わるからな」
「苦しまずにですね」
「いい、貴族なら毒を入れたワインを飲むな」
「平民は電気椅子で」
「それで自ら決する」
エウロパでは貴族はそうした死刑方法で処されるのだ。
「それもだ」
「いいですね」
「私の国ではな」
今度はプロイセンのことを話した。
「軍人の処刑はな」
「確か弾丸が入った拳銃が前に置かれ」
「そして部屋に一人にされる」
「自ら決せよというのです」
「誇り高きプロイセン軍人ならだ」
軍法会議で死刑に処される判決を受けるかそうした事態に陥ればというのだ、ままにしてこうしたこともあるのだ。
「処刑されるよりだ」
「自らそうして」
「ことを終わらせよとだ」
その様にというのだ。
「為されたし今もだ」
「同じですか」
「キリスト教の考えでは自決は禁じられているが」
それでもというのだ。
「そこはどうもな」
「別の信仰ですね」
「北欧の神々への信仰が復活する前でもな」
それでもというのだ。
「心の何処かにだ」
「その信仰が生きていて」
「そしてだ」
その結果というのだ。
「その様にしていたのかもな」
「そうでしたか」
「信仰は容易にだ」
「消えないですね」
「例え何十世代も経てもだ」
「確か無意識に」
「そうだ、そう言われている」
大尉は答えた。
「心の中に残っていてな」
「影響を受けるのですね」
「だからルーン文字もだ」
北欧の魔力が備わっているというこの文字もというのだ。
「時としてだ」
「出ていましたね」
「ナチスも用いていた」
そのルーン文字をというのだ。
「親衛隊のエスだが」
「あれがですか」
「実はルーン文字だった」
そうだったというのだ。
「そうだったしな、今はな」
「北欧の神々への信仰も復活していますね」
「ギリシアへのそれもな」
「左様ですね」
「ケルトもある筈だが」
この神々への信仰もというのだ。
「だがな」
「それでもですね」
「エウロパでは復活せずな」
「この連合で、ですね」
「復活してな」
そうなってというのだ。
「信仰されているな」
「そうですね」
「そうしたこともある、それで話を戻すが」
大尉から言った。
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