神々の塔
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第四十五話 歌劇の世界からその十一
「私達もや」
「勝たないといけないわ」
「勝ってや」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「先に進むわね」
「そうしてな」
「この世界を救う力を得るわ」
「その為にもや」
是非にというのだ。
「ここはな」
「勝つわね」
「意休さんにもな」
「そうするわね」
「意休さんは一見ただのならず者の親分や」
作品中では最初そうした立場である。
「しかしな」
「その実はよね」
「天下乗っ取りまで企んでるな」
「大物ね」
「そやから風格もある」
見ればかなりのものだ。
「威圧感もや」
「かなりね」
「そして誇りもある」
これも備えているというのだ。
「それもや」
「かなりのものね」
「あまりにも誇り高いとな」
それならというのだ。
「戦い方も堂々となる」
「それが決まって来るわね」
「そこがや」
まさにというのだ。
「狙い目や、堂々と戦う強敵には」
「詭道ね」
「それを用いるんや」
「戦は詭道なりってことね」
「そや、正面から来る敵に対して」
即ち意休にというのだ。
「私達はな」
「絡め手とかで攻めるのね」
「そうしてくで」
「そうね、ここは」
アレンカールは考えてから言った。
「術を使って」
「相手を惑わしたりな」
「能力を下げて」
「そうもしていって」
「他にもな」
「頭を使っていくわね」
「トリッキーと言える戦術でな」
それで以てというのだ。
「戦ってくで」
「それならあたいも得意よ」
リーに微笑んで述べた。
「何かとね」
「そやろ、ほなな」
「ここはよね」
「メインで頼むで」
「わかったわ、神霊さん達の正面は引き受けるわ」
アレンカールは自ら申し出た。
「そしてね」
「敵を惑わしてか」
「気を引くから」
そうするからだというのだ。
「他のことは任せるわ」
「ほなな、敵役でもな」
それでもというのだ。
「誇り高いとな」
「戦い方にも出るわね」
「堂々となる」
「ほなあたい達はその堂々を衝く」
「そうして勝つで」
「わかったわ」
それならとだ、アレンカールも頷いてだった。
そのうえで戦っていった、するとだった。
戦いは次第に一行の有利になってだった、意休を押していった。そしてアレンカールのカポエラのトリッキーな回転蹴りがだ。
意休を撃った、それが決め手になり。
「お主達の勝ちだ」
「そうなりましたか」
「うむ」
まさにというのだ。
「その通りだ」
「それは何よりです」
「よくやった」
笑顔でだ、意休はアレンカールにこうも言った。
「ではな」
「上に行ってええですね」
「そうせよ」
まさにというのだ。
「よいな」
「ほな宿屋で休んでから」
「そうせよ、それとだ」
意休はここで笑った、そのうえで一行に話した。
「先に進むが」
「それでもですか」
「よいな」
こう言うのだった。
「宿屋では蕎麦を食え」
「お蕎麦ですか」
「あの宿屋では蕎麦が美味いからな」
だからだというのだ。
「ざるそばを食うのだ」
「そうしてですか」
「酒も飲め、いいな」
「神霊さん達がそう言うなら」
「うむ、ではな」
「食ってきます」
アレンカールも約束した、そしてだった。
一行は下の階段で身体を清めた後でざるそばを食べた、するとその蕎麦は確かに美味く彼等も満足したのだった。
第四十五話 完
2023・10・8
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