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神々の塔

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第四十五話 歌劇の世界からその九

「ほんまに」
「というかほったらかしにしていいのかよ」
「洒落にならない事件起こす奴もいるだろ」
「キチガイには言っても無駄だろ」
「聞かないのもキチガイの要素だからな」
「キチガイにも色々あってな」
「いいキチガイと悪いキチガイがいるだろ」 
 キチガイ、狂人と一口に言ってもというのだ。
「悪いキチガイはな」
「世に放ったままじゃ駄目だろ」
「明らかにヤバイ奴は病院に送ってな」
「治療しろよ」
「それでも治らない奴もいるかも知れないけれどな」
「そうしろよ」
「そうですね、心を病む人もいて」
 それでとだ、アレンカールも頷いた。
「ヤバイ人もです」
「いるだろ」
「そうした奴を治療するのも大事だろ」
「さもないと洒落にならないことするぞ」
「何十人も殺してな」
「全くだ、キチガイなぞ放っておくな」
 意休も煙管を吸いつつ言ってきた。
「まともな者が難儀するぞ」
「大多数のですね」
「そうだ、放っておくとな」   
 意休は綾乃に答えた。
「身内にいたらどうだ」
「ほんま迷惑です」
「おかしいと確信したならだ」
 その者がというのだ。
「医者に見せることだ」
「精神科の」
「そして本当におかしいならな」
「治療ですね」
「箸が転がっても人類滅亡と喚き散らすなら」
 そうした有様ならというのだ。
「最早な」
「確実ですね」
「そうした奴をキチガイと呼ばずして何だ」
「電波を発している様な」
「受けているだけで危ないのだ」
 そのレベルでというのだ。
「それならな」
「もうですね」
「そうするのだ、何の為に医者がいるのだ」
「診てもらう為です」
「昔のお主達が起きた世界では瘡の病でもな」 
 梅毒のことだ、この性病は病が進行すると身体に瘡蓋が出来たりするのでこう呼ばれていたのである。
「キチガイになった」
「あっ、そうらしいですね」
「頭がおかしくなり」
 そうしてというのだ。
「死ぬ場合もな」
「ありましたね」
「他にもな」
 それこそというのだ。
「頭がおかしくなることはある」
「何かと」
「それで何もしないことはな」 
「あかんですね」
「だからな」 
 それでというのだ。 
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