新しい首輪
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第二章
「首輪にもな」
「住所と電話番号入れるのね」
「そうしたらな」
首輪にその二つを入れておくと、というのだ。
「そこからな」
「若しふわりを見付けてくれた人がいたら」
「連絡してくれるだろ」
「うちに」
「それでだ」
「ちゃんと入れておくわね」
「人間だって迷子になったら何処に行ったかわからなくなるんだ」
そうなる時があるというのだ。
「だったら人間の言葉を喋れない犬ならな」
「余計によね」
「だからな」
それでというのだ。
「ちゃんとな」
「首輪には住所と電話番号入れるわね」
「そうしてるんだよ」
「そして何かあれば」
「その時はな」
まさにというのだ。
「連絡してもらって」
「迎えに行くんだ」
「その為のことね」
「犬は帰巣本能があると言ってもな」
それでもというのだ。
「迷子にもなるんだよ」
「そこも人間と同じね」
「だから本当にな」
「念には念を押して」
「ああ、ちゃんとな」
「入れておくのね」
「両方な、じゃあ入れ終えたらな」
その時はというのだ。
「お店から連絡があるからな」
「その時にね」
「お店に行って来るな」
「それじゃあね」
百合子は夫の言葉に頷いた、そうしてだった。
二人は店からの連絡を待った、そのうえで。
連絡が来たら首輪を受け取った、代金はもう支払っていたので受け取るだけだった。そうしてであった。
ふわりに新しい首輪を付けた、すると。
「ワンワン」
「嬉しいか?新しい首輪になって」
「ワン」
ふわりは実際に文太に顔を向けて目をキラキラさせていた、尻尾も振っていてそのうえで彼を見ていた。
「そうか、その首輪はお前の命綱だからな」
「クゥン?」
文太の今の言葉はわからないのか首を傾げさせた、だが文太はその彼女に対してさらに言うのだった。
「うちの住所と電話番号が書いてあるからな」
「クゥン」
「だからな」
それでというのだ。
「いざという時はうちに連絡してもらえるからな」
「それで私達が迎えに行くからね」
百合子もふわりに話した。
「だからね」
「首輪はお前の命だぞ」
「そもそもね」
百合子はこうも話した。
「首輪がないとね」
「飼い犬それに猫もな」
「飼い猫ってみなされないのよね」
「それで捕まったらな」
そうなればというのだ。
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