星河の覇皇
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第八十五部第三章 北京星系を見てその二十二
「利益の分配でな」
「左様ですね」
「ウィーン会議もそれで揉めましたね」
「そして進まず」
「その隙をナポレオンに衝かれました」
欧州諸国の混乱を見てナポレオンはエルバ島を脱出したのだ、そうして皇帝に返り咲いたのである。
「その他にもです」
「利益の分配の失敗が混乱をもたらす」
「そうした事例は多かったですね」
「実に」
「そうだ、連合でもだ」
自分達の国でもというのだ。
「そうだったな」
「左様ですね」
「得た利益の分配で衝突し」
「各国政府同士が同盟から対立に移り」
「そしてですね」
「衝突に至り」
「そうしてでしたね」
「今度は各国政府の争いになりましたね」
「そうなるからだ」
だからだというのだ。
「ここはだ」
「何としてもですね」
「利益の分配は絶対ですね」
「失敗してはいけないですね」
「昨日の敵は今日の友であり」
そしてというのだ。
「その逆もある」
「今日は同盟国でもですね」
「明日は敵になるかも知れない」
「そうしたことも有り得ますね」
「ごく普通に」
「そうだ、だが」
次の機会には敵になろうがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「衝突が終わるならですね」
「円満に終わる」
「そして次の称津突に赴く」
「それがいいですね」
「下手に揉めたまま終わるとだ」
そうなると、というのだ。
「やはりな」
「どうしてもですね」
「次の機会に相手国に遺恨があり」
「厄介なこととなりますね」
「その分配のこと自体で衝突にもなりますし」
「避けねばならないですね」
「そういうことだ、三百の国でどう利益を分配するか」
このこともというのだ。
「問題だ」
「それも非常に」
「重要事項の一つと言っていいですね」
「まさに」
「そうしたものですね」
「政治は利益、国益を得るものでだ」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「その利益をどう分けるか」
「それも政治の重要なことですね」
「左様ですね」
「国の中でも国と国の間でもな」
その両方でというのだ。
「そうあるべきだ」
「左様ですね」
「だからですね」
「利益の分配についても」
「重要ですね」
「これが出来ないとな」
まさにというのだ。
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