人参を美味しく食べるには
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第一章
人参を美味しく食べるには
人参が嫌いな子供がいると聞いてだ、シェフをしている榊原吉保穏やかな顔をしていて胡瓜の様な顔の形で黒髪を短くさせた背の高い痩せた彼は言った。
「それで給食でもですね」
「うん、残す子がいるんだよ」
榊原が働いている店の常連であるとある学校の校長先生が榊原に話した。
「これがね」
「よくあるお話ですね」
「そうだよね、人参とかピーマンはね」
「あとお魚もですね」
「嫌いな子が多いよ」
「そうですよね」
「もうずっとだよ」
それこそというのだ。
「そういうのが嫌いな子はね」
「いて」
「わしも悩んでいるよ」
「ですね、ただどれも調理次第で」
「それでだね」
「食べますよ、例えば」
ここで榊原はシェフの知恵を出した。
「細かく刻んで」
「そうしてだね」
「ハンバーグに入れたり擦って」
そうしてというのだ。
「スープとかに入れて」
「そうしてだね」
「濃い味付けにして」
そうもしてというのだ。
「人参とかの味を誤魔化す様な」
「そうした風にすればいいんだね」
「はい、カレーに入れたら」
「あれは味が濃いからね」
「もう人参とかの味も」
これもというのだ。
「わからないです」
「そうだね」
「それに」
さらに話すのだった。
「子供の好きな料理に入れるとか」
「カレーもそうだしね」
「ハンバーグも。本当に刻んだり擦ったりしてです」
「濃い味の料理に入れたら」
「それも子供の好きな」
「そうしたらいいんだね」
「お魚もです」
こちらもというのだ。
「工夫次第で、です」
「食べる様になるんだね」
「骨がない部分を調理して」
「切り身とかだね」
「そうして出したりやはり」
「カレーとかにだね」
「入れますと」
細かく切ったりしたうえでというのだ。
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