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イベリス

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第百二十五話 品選びその十一

「それでもな」
「変な人がいて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「問題起こしてるんだよ」
「それも東京ですね」
「他のところでもおかしな政治家さん出るけれどな」
「東京は、ですね」
「結構以上にな」
 こう言っていいまでにというのだ。
「出てるな」
「そうなんですね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「嬢ちゃんもそうしたことをな」
「知らないと駄目ですか」
「駄目って訳でもないけれどな」
 それでもというのだ。
「それでも知っていた方がな」
「いいことですね」
「都知事さんからしてな」
「おかしな人が選ばれるので」
「都議会議員さんもそうでな」
「国会議員の人達もなんですね」
「いるだろ、あの白い服で黒髪がショートの」
 マスターは実に嫌そうな、これまで以上にそうなった顔で話した。
「駝鳥に無理矢理人の歯をつけたみたいな顔の」
「あの目つきの悪いですね」
「元タレントのな」
「あの人ですね」
「あんなのもな」
「当選するんですね」
「あいつは駄目だ」
 マスターは断言した。
「もう何もかもがな」
「ネットでも凄く評判悪いですしね」
「あんなの投票する方がおかしいんだよ」
 それこそというのだ。
「都内だと元総理の奴もな」
「いますね」
「あの連中は自分しかないんだよ」
「自分のことしか考えてないですね」
「だから投票なんかしてな」 
 そうしてというのだ。
「当選させたらな」
「駄目ですね」
「そうなんだよ、選挙には絶対に行ってな」
「そうした人達に投票しないことですね」
「そうだよ、この連中も酷いけれどな」
 それでもという口調で言うのだった。
「東京にはもっと凄いのいるからな」
「あの元役者さんの」
「あいつはさらにな」
「酷いですよね」
「もう何もかもがな」 
 それこそというのだ。
「間違えてるんだよ」
「あの人はそうですね」
「あそこまで間違えてる奴はもっとな」
「当選させたら駄目ですね」
「選挙はそうしたこともあるんだよ」 
 咲に真剣に考える顔で語るのだった。
「最悪な奴に投票しないでな」
「ましな人に投票することですね」
「少しでもな」
「そうしたらいいんですね」
「最善の人に投票出来たら理想だよ」
 そうであるならというのだ。
「本当にな」
「選挙の理想ですね」
「ああ、けれどな」
「最善がないとですね」
「ああ、次善でな」 
 そうした人を選ぶべきでというのだ。 
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