Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

　　　　　　　　　　　　　　　　第四十四話　　地絆
「そうか、封真は明日はか」
「うん、お墓参りに行くってね」
　小鳥は神威と一緒に学校の中に話のベンチに並んで座ってそのうえで一緒にお昼の弁当自分が作ったものを食べながら話した。
「言ってたわ」
「さっき会ったらか」
「星史郎さんのね」
「そうか、亡くなったからか」
「そうするってね」
「わかった。俺は何も言うことはない」
　神威はこう答えた。
「あいつそして地の龍のことだ」
「だからなのね」
「俺は何も言う資格もない。それよりもな」
「私達はね」
「昴流さんだ。何とか食事は食べてくれてな」
「お部屋から出てくれる様にもなったけれど」
「まだな」
　どうにもという口調での言葉だった。
「気落ちしているのは明らかだ」
「そうよね」
「だからな」
「まだね」
「心配だ、だからな」
　それでというのだ。
「俺達はな」
「昴流さんの傍にいないといけないわね」
「今はな。少しずつ気を取り直してくれている」
　このことは間違いないというのだ。
「だからな」
「尚更ね」
「一緒にいよう」
「今はね」
「おそらく戦いは当分無理だが」
「元気になってくれたら嬉しいわ」
「そうだな、それなら一緒にいないと駄目だ」
　仲間としてとだ、神威は言った。
「あの人と」
「私達は昴流さんに寄り添うことね」
「封真達はあの人にそうしてな」
「それぞれよね」
「そうだな、だが」
「だが？」
「また戦いになる」
　神威は弁当のお握りを食べつつ言った、おかずと同じく全て小鳥が握ったもので心が感じられる味だった。
「これからはこれまで以上にだ」
「激しい戦いになるのね」
「そうなるだろうな」
　小鳥に真剣な顔で答えた。
「やはり」
「あの人が亡くなったし」
「これからはな。だが」
「それでもよね」
「俺達は生き残ってな」
「お兄ちゃんも取り戻して」
「また一緒に暮らすんだ。小鳥がいて封真がいて」
　そしてとだ、神威はさらに言った。
「点の龍の皆がいてくれるとな」
「神威ちゃんはいいのね」
「最初は二人だけだった」
　神威はこうも言った。
「だが今はな」
「天の龍の皆も」
「いて欲しい、仲間だからな」
「お友達よね」
「ああ、だからな」
　それ故にというのだ。
「戦いが終わってもな」
「天の龍の皆と一緒にいるのね」
「空汰も嵐も護刃も征一狼さんも火煉さんも。そして」
　神威は彼の名前も出した。
「昴流さんもな。玳透もだな」
「そして丁さんも」
「皆だ、だが」
　ここでだ、ふと。
　神威は気付いた様な顔になった、そうして小鳥に言った。