星河の覇皇
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第八十五部第三章 北京星系を見てその十六
「それは個人の嗜好もあったにしても」
「他国に中国の富を見せていた」
「植民地にされようというその中で」
「そうしていたという説もありますね」
「ええ、中国の富を見せて」
自分の途方もない贅沢を他国つまり西洋列強の外交官達に見せてだ。
「中国は飲み込むにはあまりにも大きい」
「そのことをですね」
「それを見せてですね」
「そうしてですね」
「中国を守ろうとしたという説もありますね」
「そうも言われているわ」
そうした説もあるというのだ。
「そして今はね」
「連合全ての市民がですね」
「エウロパなぞ足元にも及ばない豊かな生活を送り」
「それを彼等に見せて」
「呑み込めない存在だと知らしめるのですね」
「そうよ、連合軍もそうだけれど」
この軍隊もというのだ。
「数が多く装備も優れている」
「その姿を見せて」
「そしてですね」
「国防としていますね」
「そうしていますね」
「あえて強大な戦力を見せる」
このこともというのだ。
「国防でね」
「それで、ですね」
「我々の豊かさもですね」
「エウロパに見せますね」
「その国力に相応しいそれを」
「そうしていきますね」
「そうよ、それは普通の生活でいいわ」
連合から見てである。
「それでいいのよ」
「左様ですね」
「それではですね」
「我等もですね」
「連合の生活を送ることですね」
「エウロパ人はエウロパ戦役で連合軍を見て驚いたわ」
このことは実際にである。
「数に装備にね」
「それにですね」
「その豊かさもですね」
「見て驚きましたね」
「左様ですね」
「エウロパでは高価で貴族さえ手に入れることが出来ない食材を普通に使った料理にね」
それを普通に食べたのだ、逆に連合軍の将兵達はエウロパの料理を食べて粗末な食材だと言った話がある。
「それにね」
「服の生地もですね」
「軍服のそれも」
「連合軍のものは実に質がよく」
「それで、ですね」
「彼等は驚きましたね」
「食器にすらね」
何でもないと思われるそれもというのだ。
「まことにね」
「その違いを見せる」
「彼等に」
「普通の生活を送ってみせて」
「そのうえで」
「そうしていけないいのよ」
まさにというのだ。
「我々は」
「それでは」
「その様にしていきましょう」
「発展し続け」
「生活を送っていきましょう」
「是非ね」
こうした話もしつつだ、伊東は三百もの国が今回の宣言に加わったことを喧伝することにした。それは他国も同じで。
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