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八条学園騒動記

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第七百二十五話 ライオンの昼寝その九

「持っているからな」
「世界一の資産家とも言われていますね」
「人類社会においてな」
「連合第三位の国力の国の国家元首の家であり」
「極めて古い歴史もあってな」
「その資産たるやですね」
「金では計り知れないまでだ」
 そこまでというのだ。
「巨大なものだ」
「左様ですね」
「しかしその生活は質素極まりなく」
「食事もですね」
「極めてだ」
 そう言うまでにというのだ。
「質素だ」
「日本では市民の方がいい食事ですね」
「何しろ市民なら何時でも好きなものを好きなだけ食べられる」
 このことがあるというのだ。
「しかしな」
「日本の天皇そして皇室は」
「敢えて質素なものをな」
 しかも極めてというまでにだ。
「食べているのだ」
「それも常に」
「そうなのだ」
「イギリス王家はです」
 上等兵は真剣に考える顔で話した。
「遥かにです」
「日本の皇室よりもな」
「資産は少ないですが」
「国力が違うからな」
「かつては世界一の資産家と言われましたが」 
 大英帝国と呼ばれた頃は特にだ。
「しかし今ではです」
「国力が違い過ぎるしな」
「日本とイギリスでは」
 ここで言うイギリスとはイングランドのことである。
「その為です」
「イギリス王家と日本の皇室ではな」
「全く違います」
「持っている資産もな」
「はい、ですが」  
 それでもというのだ。
「食事はどう見ても」
「技術や文明のレベルの違いがあるがな」
「しかしです」 
 それでもとうのだ。
「イギリス王家の方が上かと」
「そうだな」
 大尉も否定しなかった。
「私もそう思う」
「左様ですね」
「兎角だ」
「日本の皇室は質素ですね」
「何もかもがな」
 その生活がというのだ。
「そうだ」
「そうした家ですね」
「皇帝だがな」 
 その立場だがというのだ。
「それでもだ」
「質素なのですね」
「建築もだ」
 権力者の病と言われるこれもというのだ。
「歴史的に見てもな」
「しないですか」
「大仏は造ったがな」
「地球の日本に今もある」
「東大寺のな」
 仏教のこの寺院のというのだ。
「あの大仏は造ったが」
「当時かなりの国力を使いましたね」
「同じ様なものを中国も造ろうとした」
「あの国ですか」
「当時は唐といってな」
 国の名前はというのだ、中国はかつては王朝によって国の名前が変わったのだ。当時はその名前であったのだ。 
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