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X ーthe another storyー

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第四十三話 弔後その十四

「友達仲間として」
「誰もがそうされる資格がある筈だよ」
 これが牙暁の返答だった。
「人間はね」
「そうね。それじゃあ」
「うん、庚も他の皆も」
「彼の冥福を祈らせてもらうわ」
「そうしたらいいよ。僕もね」
「彼の冥福を祈るわね」
「そうさせてもらうよ」
 是非にと言うのだった。
「彼は僕の友達でもあったから」
「そうね。それでは皆でね」
「友達として」
「彼の冥福を祈りましょう」
「長い苦しみから解放されたんだ」
 まさにと言うのだった。
「それならね」
「是非だね」
「そう、本当に」
 まさにと言うのだった。
「祈らせてもらうわ」
「地獄の苦しみが少しでも和らぐ様に」
「あちらに行っても」
「そうしよう。したくしてきたことじゃなかったし」
「その悪事も」
「人の痛み、心がわからないと言っても」
 自分ではそう言ってもというのだ。
「誰かを好きになることはないと言っても」
「それでもよ」
「彼はね」
 その実はというのだ。
「違ったよ、本音はね」
「私達が見た通りよ」
「そうだったんだ。それなら」
「冥福を祈らせてもらうわ」
「ずっとね。そしてお墓も参って」
「それからよ」
 庚は牙暁に話した。
「また戦いになるわ」
「そうなるね」
「そして姉さんを」
「解放しよう」
「あの苦しみから」
「君の本心を知ってから」
 牙暁は今度は庚自身に顔を向けて彼女に告げた。
「僕も君と共にね」
「仲間、友達として」
「共に力を合わせて」 
 そうしてというのだ。
「やっていこうとね」
「決意したのね」
「君は僕の友達だから」
 だからこそと言うのだった。
「そうしたよ。それでは」
「これからも一緒ね」
「そしてあの人を救おう」
「ええ、必ずね」
「苦しみから。それと」
 話が一段落してだった、牙暁は庚にこうも話した。
「僕は若しかしたらこの戦いが終わったら」
「何かあるのかしら」
「彼に言われたよ。目覚めるかも知れないって」
「起きた世界に行けるのね」
「普通の人と同じ様にね」
「そうなればいいわね。ずっと夢の中にいたら」
「これはこれで寂しいよ」 
 今の自分のことをこう言うのだった。
「本当にね」
「そうよね」
「起きた世界でも皆と一緒にいたいから」
 そう願うからこそというのだ。 
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