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新オズの臆病ライオン

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第一幕その十一

「オズの国の飛行機だから何かとね」
「さっきお話してくれた通りですね」
「何かと違いますね」
「外の世界の飛行機とは」
「そうですよね」
「やっぱり」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「あの飛行機はね」
「中がまた凄いんだよね」
 トトはドロシーの足下で尻尾を振って言いました。
「これがね」
「そうそう、オズマも乗るね」
 かかしも言います。
「王室のものだから」
「王室専用機だからね」 
 樵の口調はしみじみとしたものでした。
「それだけに内装が違うんだよね」
「僕も乗ったことがあるけれど」
 そこから言うボタンでした。
「立派だよね」
「その飛行機に乗って」
 腹ペコタイガーも飛行機を見ています、飛行機はどんどんこちらに来ています。
「そしてね」
「ギリキンに行こうね」
 臆病ライオンは皆に告げました。
「そうしようね」
「さて、ではな」
「私達は見送らせてもらうわ」
 おじさんとおばさんは皆ににこりと笑って言いました。
「ドロシーが行く前に顔を見せにきてくれてな」
「嬉しかったわ」
「だって最近おじさんとおばさんに会ってなかったから」
 それでと言うドロシーでした。
「今回ギリキンの国に行くことになって」
「それでだな」
「いい機会だと思ってよね」
「行く前にね」
 ギリキンの国にです。
「会いに来たのよ」
「毎月会っているけれどな」
「今月もなのね」
「毎月一回は会わないと」
 そうしないと、というのです。
「私としてはね」
「寂しいんだな」
「私達もだけれど」
「だって家族なのよ」
 ドロシーはお二人に笑顔でお話しました。
「それで会わないなんてね」
「ないか」
「一ヶ月に一回は」
「王宮でオズマや皆と暮らして」
 そうしてというのです。
「冒険もするけれど」
「それだけじゃないか」
「私達とも会わないとなのね」
「私は寂しいわ、カンサスにいた時は」
 その時のこともお話するのでした。 
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