暗殺教室 in Hero
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緑谷出久の暗殺教室36 第二の刃の時間
荒木『エキシビジョンは30分後に行われます。その間に生徒の皆さんは観客席を後ろに下げるように動いてください』
出久(轟君の個性は氷と炎...どう攻略していくか...どれほどの規模を出せるかも分からないからな...情報が本当に少ない...!)
莉桜「ねえ出久...大丈夫...?本当に...」
出久「...大丈夫だよ莉桜さん。僕だって戦う術は学んできたから負けるつもりはないよ」
轟「緑谷」
E組で集まっていると、轟が出久に話しかけてきた...
轟「少しいいか。話がある」
出久「...いいよ。向こうでしようか。みんなはここで待ってて...ね?」
出久と轟が本校舎の方へ向かって行った...
岡島「おい、こっそりついて行った方が...」
カルマ「やめといた方がいいよ。緑谷のあの目......邪魔するなって言ってたよ」
殺せんせー「ええ、試合前に何かトラブルは起こさないでしょう。私たちは待ってましょう...」
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本校舎の裏...出久と轟がそこで話し合うことに...
轟「...まずお前はどこかのヒーローの息子か?」
出久「...はい?」
轟「お前は個性を使い慣れていた...違和感があった」
出久「(暗殺の特訓とか言えないよな...)えっと、がむしゃらに頑張っただけだよ?ヒーローの子供じゃないからね?」
轟「そうか......俺の親父はエンデヴァーだ。知ってるだろ」
出久「うん...」
轟「万年No.2のヒーローだ。これから先、上に上がっていくためにも、なおさらお前に勝たなきゃいけねぇ...
親父はオールマイトを越える為に個性婚をして俺を産ませた」
出久「こ、個性婚...!?」
個性婚とは、より強い個性を受け継がせるために優れた配偶者を選ぶ戦略結婚のことである...世間的にはイメージが悪い行為である...
轟「実績と金だけはある親父は...母の親族を丸め込み母の個性を手に入れた...!」
緑谷「...!」
轟「記憶の中の母はいつも泣いている。ある日、お前の左側が憎いと、母は俺に煮え湯を浴びせた」
出久「っ...その顔の跡はその時に...」
轟「親父の力を使わず一番になる事で、奴を完全否定する。緑谷、お前には勝つぞ」
轟は去ろうとする...
出久「...僕には君の苦しみや悲しみ、怒り...どれほどのものか分からない...簡単に分かるよなんて言わないさ...けどね、僕も負けるわけにはいかない。
“全力”で来てよ...」
轟「っ...!?......ああ...」
出久の殺気が轟に届いた...
轟が去った後、出久はため息をして...
出久「盗み聞きはダメなんじゃないの?五英傑」
出久がそう言うと五英傑が出てきた...
浅野「こんなところにE組が来るなんて、変なことを企んでいないか見にきただけだよ」
出久「酷いなぁ...でも聞いてたよね」
瀬尾「うるせえぞ!......まあなんであいつがいつもイライラしてるかは分かったけどよ...」
出久「...A組にも馴染めてなかったんだね...」
浅野「無駄話はそこまでだ」
出久「...分かった。じゃあ僕に準備するから」
出久が五英傑の横を通り、向かい始める。
浅野「...今回の戦いを仕掛けたのは、理事長とある人物の提案だ...」
出久「ある人物......そう...」
小山「個性婚とかマジかよ...No2ヒーローがするなんてさ」
荒木「あの様子じゃDVがあったんだろうね」
榊原「美しくないものだな...」
瀬尾「...今回のは轟に左使わせるためだろうな...」
浅野「.........ちっ」
試合まで10分...出久がトイレから出て、E組に戻ろうとした時に声をかけられた。
エンデヴァー「君が緑谷君だね」
出久「エンデヴァー...!?(じゃあ浅野君が言ってた人って...!!)」
エンデヴァー「君の個性は素晴らしいものだよ。是非焦凍の成長のためにも全力で戦ってくれ」
出久「...」
エンデヴァー「焦凍はオールマイトを超える義務がある。高校に入る前に有益なテストヘッドになるからな。だから醜態を晒さないでくれ」
出久「...僕はオールマイトじゃない...」
エンデヴァー「...?何を抜かしてるんだ...当たり前だろう」
出久「ええ...そうですよね...?僕は僕です...なら轟君は轟君です...
あなたじゃない...!!!」
出久はエンデヴァーに対して殺意をこもった目で睨んだ。エンデヴァーは出久の目に一歩下がる...
そして出久はE組の元へ戻った...
エンデヴァー「なんだあの小僧...!?」
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學峯「やあ轟焦凍君...これからの試合を楽しみにしてるよ」
轟「...はい」
學峯「少し話をしよう...最初から殺すつもりでやりなさい...」
轟「は...?」
學峯「本当に殺すつもりはない...力でねじ伏せなさい...責任は君が取るわけじゃないんだ...さあ繰り返してみよう。俺は強い...」
轟「俺は...強い...」
學峯「ねじ伏せる...」
轟「ねじ伏せる...」
學峯「君の父親が来ている...さあ...力で証明するんだ...」
轟「クソ親父を...!」
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遂に時間となり、出久と轟が校庭の真ん中ら辺に立った。
荒木『さあ!エキシビジョンマッチ!轟君対緑谷!!個性ありのガチンコ勝負です!!なお、降参するか、気絶するか、はたまた場外に出るかで勝敗が決まります!』
殺せんせー「...」
渚「殺せんせー...?」
殺せんせー「...轟君の様子が変です...先ほど彼にはなかった殺気を感じます...」
それは出久も気づいていた...
出久「轟君...何があったの...?」
轟「...うるせえ...ねじ伏せてやる...!」
出久「っ!!(なんて目だ...!)」
荒木『......それでは......始め!!!』
轟「...終わりだ...!」
轟の右から尋常ではない氷が溢れ出し、出久に覆いかぶさってきた。その氷が止まることはなく、どんどん大きくなっていく...
そして最後には、出久のいた場所にはまるで大きな氷山のような氷が...
荒木『お、おい......これ...まずいんじゃ...!?』
浅野(轟のあの様子......まさかあの男に何か吹き込まれたか!?!?)
生徒達は絶句していた、轟の力にそして出久がそれに飲み込まれたことに...
E組に至っては、ほぼ全員が顔を青くしていた...ガールズの中には膝から崩れている者も...
カエデ「い、いず...出久君が...!?」
桃花「いやぁぁぁ!!!」
前原「ふ、ふざけるな轟ぃ!!!緑谷に...緑谷に何してるんだぁぁ!!!」
カルマ「これは冗談じゃすまないでしょ...!」
烏間「中止だ!今すぐ救助を!!!」
殺せんせー「いえ、彼は緑谷君を殺す気ではなさそうです。ギリギリを狙っていた...彼は氷の調整はまあまあできそうですからね。そして個性ありの徒競走で彼は左から炎を出せることを知っています。今溶かそうとしていますし...ですが緑谷君もそれは分かっているでしょう」
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學峯「甘いことだ...」
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轟「わりぃな...レベルがちがっ...?」
“ドォン!ドォン!!ドォン!!!”
氷山の中から、大きな音が。そしてどんどん轟に近づいてくる。そして氷山に大きな穴が空いた。
出久「急で驚いたけど...余裕見せすぎじゃないかな...?」
荒木『お、おお...無事だった...っ!緑谷!氷山から出てきてしまったぁぁ!!』
一瞬安心したが、すぐにアウェーの解説を始める。もうプロである。
出久「じゃあ今度は僕の番だ...」
出久は13...ではなく14%のパワーで轟に接近した。轟は氷を出して壁を作るが...
出久「スマッシュ...!」
出久は容赦なく破壊して懐に入った。そして右腕で腹に一撃を入れた。
轟「おぇ!?!?がっ!?」
場外になりそうだったが、なんとか氷を出して防いだ。
轟「くそぉ!!!!」
再び氷山を作るレベルの氷が出久に襲い掛かるが...
出久「うぉぉぉぉぉおおおお!!!!!」
連続で腕を振るい、氷を破壊していく。轟の体に大分霜がついてしまったところで氷を止めた。
出久「震えてるね。個性も身体機能の一つ...でも左の熱を使えば解決できるよね...?」
轟「うぉぉぉ!!!」
再び氷を出すが、先ほどよりも威力は下がっている。それも破壊する出久は...
出久「...一旦冷静になろうか......轟君...」
轟「...っ!?」
出久(今の轟君を冷静にさせるには、ヒーローの戦いは一旦やめる...)
出久の目は冷たかった...
そして右手には氷の破片...ナイフのように尖っている。
その姿はヒーローではない...
暗殺者である。
轟の目線が殺気がこもって凶器と化している氷を見ている。
渚「あれって...!!でも彼には殺される恐怖が...」
殺せんせー「いえ、あれでいいんです。緑谷君の目的は彼を止めるためです」
出久(渚君が言っていた...凶器を...空中で置くかのように...)
持っていた氷が地面に落ちていく...轟はそれを目で追ってしまう...
出久(今の君は狂気に囚われてる...さあ目を覚ませ!!)
“パァン!!”
猫騙しにより轟の頭の中が一瞬消し飛んだ...
轟「がっ...!?かはっ...はぁ...はぁ...!?な、にが...!?」
出久「冷静になった...ようだね」
轟「はぁ...!はぁ...!?(頭ん中のこんがらがってた感じが消えた...!)」
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學峯「...私の言葉の効果を薄めたか...」
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出久「もう一度聞くよ。個性も身体機能の一つ...左の熱を使えば解決できるよね」
轟「...左は使わねえ...右だけでも俺は...」
出久「僕は一度も怪我をしていない...それでも使わないと...?僕言ったよね、“全力”で来てって...僕も全力を出してないんだよ?」
轟「っ...!?」
出久「自損覚悟ならだけどね...どうする...轟君は...このままでいいの?」
轟「黙れ!!!」
轟の声が響く...そして氷を出してきて、出久は後ろに下がった。
寺坂「あのまま押し込めば場外だったのに...!」
磯貝「緑谷...お前は何をしようと...?」
轟「金でも握らされたか...!」
出久「違う」
轟「っ...お、俺は...母さんの力で...!」
出久「轟君...君は左をエンデヴァーの力だと思ってるんだね...」
轟「だから母さんは俺に...!」
出久「確かにお母さんにはそう見えてしまったかもしれない...けどね、僕は君のその力をエンデヴァーの力だとは思わない...それは君の持つ刃だよ」
轟「な、何言って...」
出久「氷が君の第一の刃なら...炎は第二の刃だ...僕の担任が言っていたんだ、第二の刃を持てと......一つだけじゃ...氷だけじゃ限度があるって、今実感してるよね...
エンデヴァーとか関係ない!それは君だけが持つ刃だ!!!」
出久の言葉が校庭に響く...殆どの生徒が意味を理解していないが、E組は出久の言葉を聞き逃さないように黙った...
轟「や、刃...?俺だけが持つ...?俺だけが...」
出久「轟君!君はなんでヒーローになりたいの!?辛い思いをしているのになんで!?」
轟「俺が...ヒーローになりたい理由...」
『ふふっ、焦凍はこのヒーローが好きなのね...』
『なんて言うヒーロー?』
『オールマイトっていうヒーローだよ』
轟「そう...だ...あの時から...ヒーローを知ったんだ...」
出久「僕も散々夢をバカにされてきた...けど今は違う...僕はオールマイトのようなヒーローに...自分がなりたい自分を目指す!!」
轟「な、なりたい自分に...!」
轟は幼い頃、母と一緒に見ていたテレビで言っていたオールマイトの言葉を思い出した...
AM『個性とは、親から子へと受け継がれていきます。しかし本当に大事なのは、繋がりではなく“自分の血肉”。自分であることを認識すること...そういう意味もあって、私はこう言うのさ...
私が来た!ってね』
『焦凍...ーーーーー』
轟(そうだこの後母さんは...確か...)
出久「轟君はこのまま縛られたままでいいのか!?なりたい自分はなんだ!!
その炎は!
その刃は!!
君の!!!!!
力じゃないか!!!!!」
轟(っ!!そうだ...俺は...!!俺は...!!!)
『ヒーローになりたいんでしょう?良いのよお前は......血に囚われることなんかない』
轟(忘れてしまっていた...)
『なりたい自分に、なっていいんだよ』
その瞬間、轟の体から爆炎が上がった...!
出久「...!轟君...!」
荒木『轟が左を使った......!?いや...使わせた方が正しいのか...』
浅野(緑谷...お前が勝負を長引かせたのは轟を救うために...!?なぜ...なぜ他人のためにそこまでできるんだ...!?)
カエデ「炎を使わせた...これって...」
渚「これが緑谷君がしようとしていたことだと思う...」
轟「勝ちてぇくせに...ちくしょう...敵に塩を送るなんて、どっちがふざけてるって話だ...!俺だって...ヒーローに...!」
出久「やっと全力を出してくれたね...カッコイイよ...轟君!!」
エンデヴァー「焦凍ォォォォォ!!!」
エンデヴァーの急な登場で一同は驚く。
エンデヴァー「やっと己を受け入れたか!!そうだ!!良いぞ!!ここからがお前の始まり!俺の血を持って、俺を超えて行き...俺の野望をお前が果たせ!!」
出久「轟君は今、“轟焦凍”として新しい一歩を踏み出したんだ...エンデヴァーは邪魔しないでもらえますか!!」
エンデヴァー「なっ...!貴様!」
浅野「いくら父親でもこれ以上の干渉は妨害となりますよ」
エンデヴァー「っ!?ちっ!」
出久(...浅野君、ありがとう)
殺せんせー「皆さん分かりましたよね...緑谷君は最初から彼を救おうと戦っていたんです...彼らしいですねぇ」
出久「全力には全力で応える!!!」
出久は右腕にOFAの力を溜め始めた。
轟「どうなっても知らねえぞ...!!」
この2人を見た浅野がすぐさま放送席に向かった。
浅野『全員もっと離れるんだ!!巻き込まれるぞ!!!!』
あの浅野の焦った声で生徒、先生は全員全力で下がり始めた。
轟は大量の氷を放出して出久に攻撃を始めた。それを出久が上に飛んで避け、そのまま轟に向かっていく。
出久「全力で...“殺す気”でかかってこい!!」
轟が炎を限界まで放出させ始める...
轟「緑谷...ありがとな」
出久の100%と轟の全力がぶつかった。
強烈な爆風と共に、辺りにあったものは吹き飛ばされていく...
それが止んだ時...観客はすぐに結果を見に行った。煙でほとんど見えない状況だった。
荒木『み、見えない...』
浅野『冷やされた空気を熱したせいだな...』
そして煙が晴れていき、場外で倒れているのが1人...そして立っているのが1人...
荒木『っ...!轟君気絶...!緑谷の勝ち!』
出久「やったぞ...!!」
ボロボロになった右腕は上げられないので、左腕を上げて勝利を喜んだ。
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凛香「また無茶をした」
出久「いひゃいいひゃい!ほっへをひっはらはいへ〜」
有希子「右腕大丈夫...?」
出久「いてて...うん、前に比べたら痛みはそこまで...」
杉野「めっちゃ変色してるじゃん...麻痺してるんじゃねえのか?」
出久(かもしれない...)
殺せんせー「君は今までE組で培ってきた力で彼を救いました...貴方らしい立派な暗殺だったと思います」
出久「あ、ありがとうございます」
殺せんせー「その腕はまた先生が治してあげますよ」
後輩「磯貝先輩〜!カッコよかったです〜!」
磯貝「おーありがと!危ないからマネすんなよ」
木村、菅谷「クソ...イケメンめ...!」
菅谷「でもよ、本当空気変わったよな。特に下級生中心にE組見る目が」
村松「当然だべ。こんだけの劣勢引っ繰り返して勝ったんだからよ」
岡島「へへ、なんか俺ら...浅野達よりすげーのかもしんねーな!」
後輩「緑谷先輩!」
出久「はい?」
後輩「戦っていた緑谷先輩カッコよかったです!」
出久「えっ、ありがとう...」
木村「緑谷まで後輩から人気になってんじゃねえか...」
菅谷「まあ、あの戦いの緑谷の時と普段の緑谷のギャップすごかったもんな」
出久「あ、あはは...まあうれしいよ」
桃花「何デレてるの...」
出久「ふぁ!?い、いや、カッコ悪いとか言われるよりかはいい言葉だし...ね?」
桃花以外の10人も出久に疑惑の目を向けている...
出久「...げ、解せぬ...」
千葉「あいつの場合は人気が出たら出たで大変だな...」
原「あっ。浅野君だ...」
前原「おい浅野!二言は無いだろうな?例の件は黙ってるって」
浅野「僕は嘘をつかない。君達と違って姑息な手段は使わないからだ...でも次はこうはいかない。全員破滅に追い込んでやる」
寺坂「ケッ負け惜しみが」
中村「いーのいーの。負け犬の遠吠えなんて聞こえないもーん」
磯貝「俺なんて、あいつに比べりゃ苦労人でも何でもないよ。皆の力に助けてもらった今日なんかさ、貧乏で良かったって思っちゃったよ」
浅野のような派手さはない。しかし、前でも上でもなく、気がつけば横にいる存在...リーダーでイケメンな暗殺者だと一同は思った...
出久「ねえ浅野君!轟君の様子は?」
浅野「...治療が済んで落ち着いている...やっと理性を持てたようだ...」
そう言って去っていった...
エンデヴァー「良くやった焦凍。雄英に入った後は俺が直々にしごいてやる」
轟「...おい。俺はこの学校に残る...だがこの中学の間だけは俺のやり方に一切口出しをするな」
エンデヴァー「なに...?」
轟「俺のやりたいようにする...中学の間でのお前の目的は左を使わせることだろ...好きにさせろ。俺はヒーローになるために強くなる」
エンデヴァー「ふんっ...まあ良いだろう」
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体育祭から振替休日を終えて登校日。朝会があるため、全生徒が体育館に集まっていた。
荒木『はい、これが変更された内容です。では次に、轟焦凍君からの話です』
そう言って轟は壇上に上がった...以前とは違い、眉間に皺が寄っていない。
轟『轟焦凍です。お話ししたいことですが...本来自分は体育祭後に、元の中学に戻る予定でした』
出久「えっ...!?」
轟『この椚ヶ丘で、上に立つ者としての振る舞いを知るための...短期編入生でしょうか...そんなものでした。
ですが、この椚ヶ丘は自分を成長させてくれる場所だと分かりました。そして、自分はどうしたいか、どうなりたいか...過去に自分が思っていた想いも、この中学ではっきりしました。
なので、私は3月まで椚ヶ丘の生徒でいることにしました...どうか改めてよろしくお願いします』
轟の言葉に生徒の殆どが拍手をした。
出久(轟君...前みたいな殺意がない...良かった...本当に...)
轟『それで自分の成長のために...』
轟の話が終わっていなかったのを知り、拍手をやめて全員が耳を傾ける。
轟『...俺はE組に行きます』
轟以外「............はぁぁぁぁぁ!?!?!?」
この言葉に浅野が早足で壇上に上がり、轟を止めに入ろうとした。
浅野「何言ってるんだ轟!そんなの君の父親は許さないぞ!?」
轟『親父には、中学の間は一切口を出すなと言った...これで破ったら約束も守れない男だと知れ渡るだけだ...
E組は落ちこぼれでもなんでもなかった。あいつらはどんなに差別されても、周りに負けない力を、精神力を持っていた...それを緑谷を通して分かった...俺が...俺自身が成長するには、強い立場に居続けるだけじゃ意味がない。
E組のように強さも弱さも知らないとダメだ。両方を知らなければ俺が憧れたものになることができない...!』
浅野「っ!そんなこと認められるわけがないだろ!」
轟『ああ...だから前にA組にいた竹林のやり方を真似する』
竹林「え゛っ...!?」
前原「ま、まさか...!?」
轟は胸元から、學峯が昔取った賞状を取り出した。それを左手に持つ...
轟『もう俺は...左を使うことを躊躇しない...これは俺だけの刃...力だからな...!』
“ボウッ!!”
賞状は燃えてチリとなった...
轟『と言うわけだ...E組、今までの言動はすまなかった。これからよろしく頼む』
E組「ま、まじかぁ...!?」
出久「と、轟君.........なんか前と全然違う...」
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そして次の日のE組の朝...
殺せんせー「えー...皆さんも分かっていると思いますが...仲間が1人増えました」
轟「轟焦凍だ」
一同「本当に来たよ!?!?」
烏間「No2ヒーローのご子息を...いくらエンデヴァーでも誤魔化さないといけないのに...」
一同(烏間先生凄い疲れてる...)
轟「この殺せんせーのことは聞いた。お前ら暗殺をやってたんだな...通りで緑谷があんな戦い方をするわけだ」
寺坂「へっ、本当にE組でやっていけるのかよ」
轟「ああ、やってみせる。轟焦凍としてよろしく頼む。俺も殺せんせーの暗殺の役に立ってみせるさ」
殺せんせー「ヌルフフフフ...とても強力な仲間が出来ましたねぇ」
こうしてE組に更なる仲間が加わったのだった...
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